飛び込みで11年世界選手権代表の馬淵優佳(27)が1日、大阪・八尾市内で新しく所属になるミキハウスの入社式に出席した。

新入社員12人、野球部の新人7人とともに、スーツ姿で入場した。

競技部の一員として、登壇して「(目標に)パリ五輪を掲げていますが、決して平坦(へいたん)な道のりではないと思います。1日1日を大切にして、後悔のない時間を送っていきたい。27歳で初めての入社式となりましたが、フレッシュな気持ちで新人選手として、1歩1歩成長していきたい」とあいさつした。

馬淵は17年8月を最後にプールを離れていた。競泳の瀬戸大也と結婚して2児を出産したが、昨夏の東京五輪に刺激を受けて「やり残したことがあると思った」と、今年1月に4年半ぶりの現役復帰を表明した。

現在は家族の協力を得ながら、練習を重ねている。

栃木県内の練習拠点で、週5回のプール練習、週2回のウエートトレーニングを行っている。

17年8月にプールを離れる前よりも、5本中3本で技の難易度を上げたという。

最高難度の技は「5152B(前宙返り2回半1回ひねりえび型)」。「1度目の現役の時は、何回かやって、父(馬淵崇英コーチ)に『やめとけ』といわれた技。でも世界で戦うには必要なので」と話した。

現在の状態について「1度目の現役時代と同じぐらいに戻っています。(復帰の)最初は飛び込みの感覚は残っていましたが、体がアスリートじゃなかった。そのギャップがあった。今はギャップはないです」と力強く口にした。

ミキハウス所属で初めての試合は、関西選手権(6月24~26日、大阪プール)を予定している。

馬淵は「世界で戦うには300点はいかないといけない。そこにどれだけ近づけるか」と目標を掲げた。

300点は、昨夏の東京五輪で決勝に進出することができる水準で、トップダイバーの証しといえる数字だ。【益田一弘】