フィギュアスケート男子の22年北京オリンピック(五輪)個人銀、団体銅メダルの鍵山優真(18=中京大)、22年4大陸選手権銅メダリスト三浦佳生(16=目黒日大高)、21年度の高校2冠女王の住吉りをん(18=明大)が2日、KOSE新横浜スケートセンターで記者会見に出席した。

3人が「初代部員」として所属する健康食品販売業オリエンタルバイオがこのほど、スケート部を創設したことを発表。その場で3人は特別演技を披露し、発足に当たっての抱負や今季の目標を語った。

鍵山「オリエンタルバイオさんには去年から支えていただき、今季から2人も一員として。個人競技ですけど、この3人で力を合わせて、もっともっと成長していけるように高め合っていきたい」と意気込んだ。

金メダルを目指す26年ミラノ・コルティナダンペッツォ五輪に向けては「視野には入れていますが、やることは目の前の課題、目標をコツコツと丁寧にクリアしていくこと。新しい4回転(ジャンプ)もそうですけど、表現力もまだまだですし、好きなスピンも磨いていきたい。オールラウンダーを目指しているので。理想のフィギュアスケーターになれるように今季も頑張りたい」と話した。

三浦は、仲のいい鍵山について「氷の上では尊敬しています。五輪の銀メダリストですから」と笑顔で持ち上げつつ「でもオフアイスでは割と抜けているところがあって、かわいくて、お茶目な一面がある。そのギャップがいいですね。って、僕の方が年下なんですけどね」と笑わせた。

部の発足と、シニア転向を予定している来季に向けては「一員になれて光栄に思います。3人で力を合わせて夢や希望を与えられる選手になりたい。(世界ジュニア選手権は)万全ではなかったけれど、大きな舞台に出たかったので出場しました。でも力を出し切れなかった。順位(優勝候補ながら13位)や点数は悔しい。まず、けがを治して。来季は新しい4回転だったり、新たな一面を見せていきたい」と力を込めた。

住吉は「こうしてサポートしていただくことが初めてで…うれしく思っています」と感謝。「今季は4回転を何回か組み込むことができたんですけど、まだ試合では降りられていないので、来季は確実に降りて武器にしていきたい」と成長を思い描いた。

今春、進学した明大では髪も念願通りブラウンに染めて、少し大人の女性へ。「新しい生活スタイルで、視野が少しずつ広がっていく感覚があります。表現力や心の充実につなげていきたい。去年は全日本選手権で8位に入ることができたので、今年は表彰台を目指したい。まずは4回転を試合で決めることを目標にやっていきたい。着実に成長していって4年後にはエースとして五輪に出場できる選手になることを目標に1歩1歩、進んでいけたら」と明るい未来を想像した。

このご時世、新たにスケート部を発足したことは話題になる。渡辺文子部長(オリエンタルバイオ相談役)は「この3人とスケート界、スポーツ界を盛り上げていけることを光栄に思います。次世代につなげていきたい。3人には1つでも上の順位を、夢や希望を与えられるような、憧れられるような選手になってほしい」と期待し「できることは惜しみなく」と最大限のサポートを約束した。【木下淳】