今大会で、現役生活を“一区切り”とする16年リオデジャネイロ、21年東京オリンピック(五輪)代表の杉原愛子(22=武庫川女大)が、床運動で13・700点をマーク。首位で予選を通過し、上位8人が競う19日の決勝に進んだ。「決勝に残れたのは本当にうれしい」。

予選は、平均台と床運動に出場。平均台は予選落ちが決まったため、その後の床運動も上位8人に入らなければ、この日で現役生活が終わるはずだった。本人も「床に行く前に少しよぎった」。

翌日の決勝で着る予定だったレオタードに「(明日がないなら)着替えようかなとコーチと話していた」。しかし、「明日があるから大丈夫」と、冗談半分に自分に言い聞かせ、着替えずに演技をしたら、何とトップ通過で、現役は1日、伸びた。

決勝の19日は父の日だ。元体操選手で、杉原のコーチでもあった父勝さんも、今大会には駆け付け、声援を送っている。決勝は、その父に見せる最後の演技。「自分のやってきた最高の演技を見てほしい」。最高の花道が待っている。【吉松忠弘】