ロシアに侵攻されたウクライナの選手同士が、女子シングルス2回戦で対戦した。世界101位のレシア・ツレンコ(33)が、ウクライナNO・1で、同34位で、29シードのアンヘリナ・カリニナ(25)を3-6、6-4、6-3のフルセットで逆転勝ち。金星を挙げた。

ツレンコは、ウエアの右胸に、黄色と水色を配しウクライナ国旗を彩るリボンをつけてプレーした。しかし、ウィンブルドンは、大会の規則として、白基調のウエアが求められる。従来なら、全く認められないものだ。

以前、二宮真琴が、ファンの広島カープの髪留めをつけていた。「Carp」という文字が模されていただけだが、「宣伝になる」との判断で、大会側から外すことを命じられた。それだけ厳格なウィンブルドンだが、ツレンコは「特別に許可を受けた」。

ツレンコは「ウクライナ選手同士の試合を多くの人が見に来て、たくさん応援してくれた」と、喜んだ。試合が行われた12番コートには、ウクライナ国旗や「ウクライナとともに」と書かれたメッセージを掲げたファンの姿が見られた。

ツレンコは、賞金の1割を寄付するという。「母国で悲惨なことが起きているのに、何もできないことに罪悪感もある。私にできるのはプレーを続けること」。ロシアとベラルーシの選手の出場を禁じた大会の決定には「賛成する」と、歓迎した。

今大会は、主催者であるオールイングランド・テニスクラブが、ウクライナに侵攻したロシアと、それを支援したベラルーシの選手の出場を認めず。その決定に抗議し、男女のツアーを運営するプロテニス協会(ATP)と女子テニス協会(WTA)が、世界ランキングのポイントを大会に付与していない。

 

 

◆ウィンブルドンテニスは、6月27日から7月10日まで、WOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドで最大10コートがライブ配信される。