【ニューヨーク27日(日本時間28日)=吉松忠弘】テニスの4大大会今季最終戦、全米オープンが29日、ニューヨークで開幕する。4大大会23度の優勝を誇るセリーナ・ウィリアムズ(40=米国)は、99年に4大大会初優勝を遂げた思い出の今大会を最後に、引退することを表明している。

大会はこの日、S・ウィリアムズにダブルス本戦の主催者推薦枠を与えると発表した。ペアは姉のビーナス・ウィリアムズ(42=米国)だ。両者のペアは、4大大会14度の優勝、五輪では00シドニー大会、08年北京大会、12年ロンドン大会と3度の金メダルに輝く。

「セリーナがいなければテニスをやっていなかった」と言うほど、人生に大きな影響を受けたのが4大大会4度の優勝を誇る大坂なおみ(24=フリー)だ。大坂は、この日、大会の事前会見を開き、セリーナと不思議な心の通じ合いを感じたと明かした。

「彼女が引退を発表する前、トロントで彼女の試合を見た。そしたら、なぜかやめるんじゃないかって感じて、涙が止まらなかった」。大坂は、21年全豪準決勝でセリーナと対戦した。その時に、セリーナは、もうオーストラリアに戻ってこないという声を耳にした。事実、今年、セリーナは全豪を欠場。その話を思い出したという。

「そんなことは絶対にあり得ないと思った。私がここにいるのも、セリーナに、姉のビーナスらのおかげだもの」。全米を最後にすると聞いたときは「これこそが、心が壊れそうということなんだと感じた」。

大坂にとって、4大大会に初優勝した18年全米決勝の相手がセリーナだった。セリーナはコーチング違反やラケット投げ捨て、最後は主審への暴言など、荒れに荒れ、主催の全米テニス協会が、それらの行為に1万7000ドルの罰金を科した。

セリーナ、大坂ともに、4大大会初優勝が全米という縁の舞台で、セリーナの後を受け継ぎ、テニスだけでなく人生を歩む模範と大坂がなれるのか。セリーナは、どこまで勝ち上がれるのか。

セリーナの1回戦は、同80位のダンカ・コビニッチ(27=モンテネグロ)が相手だ。両者は初対戦となる。セリーナの4大大会シングルス優勝回数は歴代2位の23勝。最多はマーガレット・コート(オーストラリア)の24勝だ。最多に並んでの引退となれば、これ以上の引き際はない。

セリーナの現在の世界ランキングは608位。しかし、産休やけがでツアーから一定期間離脱したときに適用される公傷世界ランキングが16位で、その16位でエントリーし本戦入りした。公傷ランクは、エントリーのみで、シードなどには使用されない。

◆全米オープンテニスは、8月29日から9月12日まで、WOWOWで全日生放送。WOWOWオンデマンドとテニスワールドでも全コートでライブ配信される。