序盤の大一番で、難敵から1勝を積み上げた。アランマーレ山形がアウェーで群馬銀行との「全勝対決」を3-0で制し、創部初の開幕6連勝で首位に浮上した。第1セット(S)からチーム全体で攻めのサーブを貫き、ブロックは今季最多13得点をマーク。伝統のトータルディフェンスを披露した。今後は12月3、4日、山形県総合運動公園総合体育館でブレス浜松、ルートインホテルズと対戦する。

「全勝対決」をストレートで制した瞬間、北原勉監督(42)は力強く両拳を握った。群馬銀行にはここ2シーズンで5戦して1勝4敗と大きく負け越し。「全勝同士の戦いで選手は意気込む部分もあったと思うが(試合の)入りからすごくリラックスして、みんながやりたいことを明確にして入れたことが一番の勝因」と評価した。

序盤からアランマーレらしさ全開だった。有村涼美(23)は「練習からサーブで攻めることをやってきて(今日も)サーブで攻めることができた」。サーブで相手の攻撃のリズムを乱し、ブロックで阻む「トータルディフェンス」が機能。第1、2Sは中盤に連続得点を挙げて流れを引き寄せた。伊藤摩耶(25)は「サーブは狙いが明確。ブロッカーも(攻撃が)崩れるという気持ちでいたので、相手のアタッカーを絞れたことがうまくはまった」と振り返った。

今後の優勝と昇格争いを左右する一戦。だが、その重圧に負けなかった。群馬銀行には昨季のファイナルステージでもフルセットの末、勝利。チーム最多19得点で勝利に貢献した前田美紅(24)は「自分のやるべきことにフォーカスしてやっていた」と、いいイメージを持って試合に臨んだ。前田は「途中出場の選手としっかりコミュニケーションを取って(今季の)無敗をプレッシャーと思わず、楽しみながらやれた」と勝利の要因を挙げた。

昨年11月、開幕6連勝を阻まれた相手に雪辱。勢いを維持したまま、12月3、4日のホーム年内最終戦に向かう。「これに一喜一憂せず、通過点と考えたい」と北原監督。「V2優勝&V1昇格」を果たすべく、気を引き締め、連勝街道を突っ走る。【相沢孔志】