女子1500メートルで、小島楓(帯広三条1年)が2分3秒88で初優勝した。同種目の1年生女王は、北京オリンピック(五輪)代表の堀川桃香(19=富士急)以来3年ぶり。昨年11月の全国中学女子1500メートル、3000メートルで2冠のホープが、高校入学後最初の大舞台で結果を出した。

悔しさをバネに、スタートから突っ込んだ。前週の全日本ジュニアでも1500メートルで優勝したが、世界ジュニア選手権の出場メンバーからは外れ「悔しかったんですけど、納得しました」。この日は帯広三条の後藤陽監督(49)が「予想以上」と驚く速さで飛び出し、最後は「振り絞って」0・09秒差逃げ切った。

別海町の酪農一家に育った。小学校4年生ごろからは、約50頭の乳牛のエサ係を務めた。もちろん牛乳は1日に1リットル飲むほど大好きだ。「それで体が丈夫になったかもしれません」と笑う。

バンクーバー五輪男子500メートル銀メダルの長島圭一郎を育てた後藤監督が「日の丸を背負って、世界で活躍してほしい」と期待を寄せる逸材が、早くも能力を形にした。「(女子1500メートルの世界記録保持者の)高木美帆さんのように、全部の種目で勝つのはかっこいい」。22日の3000メートルでも勝利し、憧れの存在に一歩近づく。【中島洋尚】