10年バンクーバー五輪代表で、昨年9年ぶりに現役復帰した織田信成(大阪・大阪スケート倶楽部)が62・57点をマークした。

冒頭の4回転トーループは着氷が乱れた。続く3回転のルッツ-ループを下りたが、後半のトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)では転倒。米歌手ナット・キング・コールの「LOVE」に乗り、会場の拍手を受けて軽快に滑り切った。

「想像以上にめちゃくちゃすごい楽しくて。演技としてはちょっと自分の力が出し切れなかった。そこは悔しかったかな」。会場にはスタンディングオベーションが起き、「ファンの方たちの声援も聞こえて」と感謝した。

昨年11月12日に大阪府の国体派遣選手選考会に出場。9年ぶりの復帰戦で146・05点を記録し、大阪府の代表に選出されていた。「朝起きたときに10代の頃とちょっと違うなって。同じように追い込めても、次の日の疲れの抜け方が違う。その中でもがく姿じゃないですけど、そういうのをみせられたらいいな」と競技会に臨んでいる。

試合前に周囲から「顔がめっちゃ緊張してる」と指摘を受けたという。「そんな立場じゃないのに、あかんな」と感じながらも、引退後に滑ってきたアイスショーとは違う雰囲気に懐かしさも感じていた。

30日にフリーが待つ。「本当に盛り上げ要員だと思っているので、しっかりフリーも盛り上げられるように頑張りたい」と誓った。