前回大会2位の柴山歩(14=京都・立命館宇治中3年)が、弟からのエールを力に変えた。

ルッツ-トーループの連続3回転、ダブルアクセル(2回転半)、3回転ループを着氷させ、65・29点の暫定3位に安堵(あんど)のしぐさ。1月28日の冬季国体(青森・八戸市)少年女子SPでは、45・41点と苦しみ「国体でのショートも頭の中によみがえってきて、すごく不安だったんですけれど、自分の今できることはできたと思います」と喜んだ。

きょうだいからのエールも力になった。京都から国体へと出発する日に、2学年下の弟がニュージーランド(NZ)へ留学。ともにスケートに取り組んできたが、弟は昨年で区切りをつけ、新たな挑戦へ1歩を踏み出したという。柴山は出発前に周囲から「絶対に寂しくなるよ」と言われたが「全然大丈夫!」とキッパリ。だが、実際に弟が旅立つと「1週間がたったぐらいから『寂しいな』ってなりました」と苦笑いした。

留学期間は5年。中学1年生にして異国で挑戦する弟は、国体のフリー前、この日のSP前にメッセージをくれた。

「普段は全然、私のことを気に懸けてくれないのに『絶対にできるから頑張って!』とメッセージをくれました。力になりました」

今大会は2組に分かれた女子SPのA、B(6日)上位18人が、7日のフリーに進む。2日後のフリーへ「今日のショートみたいに自分の練習を信じて、弱気にならずに、強い気持ちで頑張りたいです」と頼もしく言い切った。【松本航】