3月の世界選手権(さいたまスーパーアリーナ)代表の渡辺倫果(20=TOKIOインカラミ/法政大)が、ショートプログラム(SP)で65・60点を記録し、8位発進となった。

独特の雰囲気の中、リンクに立った。冒頭のトリプルアクセル(3回転半)は乱れたが、2本目のルッツ-トーループの連続3回転ジャンプ、3本目の3回転ループは降りた。

「アクセルを失敗しながらも、ルッツ-トーループは決めることができたので、その点は良かったんじゃないかな」とうなずいた。

会場は標高1800メートル超の高地にある。渡辺は昨年末の全日本選手権後からマスクをしたまま練習に励むなど、低酸素対策を講じてきた。演技直後に「呼吸はだいぶ、4日目にしてマシになってきた」と中庭健介コーチにつぶやいたように、手応えも感じている。

「思ったよりループの後に足にきてなかったので、調子に乗って、ステップシークエンスを思いっきりやったら、一気にどどって(足にきた)。ただ、ステップシークエンスは感情を込めてうまくできたんじゃないかなと思う」

フリーは翌10日(日本時間11日)に控える。

疲労も蓄積しており「明日は多分もう、ステップの時には死んでると思う」と笑いながらも、「あまり力を入れすぎず、抜きすぎず、気合の入れどころを間違えずにいければいいかなと思っています」と見据えていた。