8位の東京グレートベアーズが、今シーズンのホーム最終戦を逆転勝利で飾った。

10位のVC長野と対戦し、3-1。18日(3○2)に続く勝利で、東京GBとして臨む初めてのシーズンで、前進のFC東京を含め08-09シーズン以来となる14年ぶりの2桁勝利を達成した。

ファンの大声援を受けての価値ある1勝に、キャプテンの古賀太一郎(33)は「東京に愛されるチームを目標として、ホームゲームで一番力になっている。『ファンなくして成長なし』、その言葉に尽きる。どんなときもファンの皆さんとクラブとして成長していきたい」と、喜びをかみしめた。

簡単なゲームではなかった。今月5日に日本代表選手が多く所属するパナソニックを破るなど、勢いに乗るVC長野。第1セット(S)から苦戦を強いられた。工藤、アラウージョらの破壊力抜群のスパイクに押され、16-25の劣勢スタート。第2Sも、一時はリードを許す、厳しい展開が続いた。

だが、オポジット長友優磨(31)の投入で流れが変わった。長友が攻撃の起点となり、第2S後半に怒濤(どとう)の追い上げを見せて28-26でセットカウントを奪取。勢いは後半になっても全く衰えず。第3Sはセッター今橋祐希(22)がサービスエースを決めると、アウトサイドヒッター戸嵜嵩大(27)が強烈なスパイクを連発。追い上げる相手を振り切り、25-23、続く第4Sを25-21で取り、代々木に詰めかけた大観衆へ2日連続の勝利を届けた。

ホームゲーム最終戦で10勝(24敗)到達。真保綱一郎監督は「なかなか味わえない最高の環境。正直1S終わった時点で厳しいかと思っていた」と声援の力を実感した。試合終了後も1時間以上ファンとの交流を続け、選手がファンをお見送りする“神対応”。発展途上だが、チームが一体となって成長を示している。

今季から、美容健康雑貨を手がけるネーチャーラボが運営母体になって生まれ変わった。営業や演出にも力を入れ、コート以外でも高い音響技術やライトを使用したド派手なパフォーマンスで観客を魅了する。今月5日の東京・有明コロシアムでのジェイテクト戦ではVリーグ最多を更新する観客動員数8142人を記録。平均観客動員数でも、Vリーグトップを至上命令に掲げている。

今季は、残り2試合。古賀は「GBの未来に皆がワクワクするチームを作りたい」と、言い切った。2桁勝利勝利は小さな一歩でも、未来を照らす白星となった。