2部2位の阪大が1部7位の甲南大を3-0の接戦で制し、38年ぶりの1部昇格を決めた。

阪大は粘り強く堅い守備力を存分に発揮。第2クオーター(Q)に残り1ヤードを防ぐなど、鉄壁の守りで甲南大を完封した。最終第4Q8分51秒にK沢田悠太(3年=AISJ)が42ヤードのFGを決めて逃げ切った。38年ぶりはプロ野球阪神の「アレ」と同じ。来季は1部で旋風を狙う。2部1位の桃山学院大も1部8位の龍谷大との激戦を31-28で制し、3年ぶり1部復帰を果たした。

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スコアが動かないまま、時計は残り4分を切った。阪大はラストチャンスでFGを選択した。距離42ヤード。南アフリカの高校でラグビーに接し、キックには自信の沢田だったが「めちゃくちゃ緊張しました」。低い弾道。一瞬の静寂の後、審判が成功を告げた。

その3点を守り切った。カウントダウンが「0」を刻むと選手は転がり、OBで就任1年目の西尾慎太郎監督(29)はたまらず男泣きした。「恥ずかしいぐらい泣いてしまった。38年ぶり。支えてくれたみなさんに感謝したい」と言った。

1部昇格は今回が3回目となる。入れ替え戦が23年ぶり、勝つのは85年以来だ。プロ野球阪神が日本一になった年で、阪神は今年、38年ぶりの「アレ」を果たした。その追い風に乗って「阪大も」と試合前から話題になっていた。

LB名倉宙主将(4年=八幡)は「正直、あやかりたかった」と笑った。

西尾監督は「組織力」を高めた。現役時は副将でWR。「選手としては一流ではなかったが指導者で一流を目指したかった」。阪大の前は北海道大で2年、ヘッドコーチとして指導者の基礎を築いた。本業は企業を相手に組織作りのコンサルティングをする会社に勤める。東京在住で大阪に週1回通い、チーム作りにまい進してきた。

「いかに一枚岩になれるか」が根幹。その中心にいる名倉主将との対話を大事にした。主将は「自分たちで解決できないことは西尾監督に相談した」。年齢が近く、兄貴のように慕う中で結束力も育まれた。

1部での目標。西尾監督は「京都大、神戸大には絶対勝つ。国立大で1番に」。DB沢田も「打倒関学!」と鼻息は荒い。一方、卒業する名倉主将は「悔しいですけど、後輩に頑張ってほしい」。38年ぶりの扉を開いた。新たな歴史は後輩に託す。【実藤健一】