<世界体操>◇5日目◇11日◇東京体育館

 日本女子が7位に終わった。予選を5位で通過し、12年ロンドン五輪の団体出場権を獲得していた日本は、1種目目の平均台で合計43・499点で3位と最高のスタートを切った。しかし、床運動、跳馬はミスがあり得点が伸びず、合計167・122点で、08年北京五輪、10年世界選手権の5位より順位を落とした。優勝は米国だった。今日12日は、予選を1位で通過した日本男子が団体総合決勝で33年ぶりの金メダルに挑む。

 選手7人、全員の顔にやり切った笑顔が広がった。北京五輪、10年世界選手権の5位から7位に順位を下げた。しかし、五輪の出場権がかかる地元の世界選手権という重圧を、五輪切符を取ることで、まずは目標をクリアした。エースの鶴見虹子(19)は「これが予選じゃなくて良かった。やり切った感はある」と、納得の7位だった。

 日本は最高のスタートを切った。15歳と代表最年少の寺本が、決勝でも強心臓を披露した。最初の種目の平均台。1番手の重圧を簡単にはねのけ、降り技は、代表最高難度でF難度の後方伸身宙返り3回ひねりをピタリ。鶴見も14・833点の高得点をマークし、日本は合計43・499点で、1種目目を終え3位につけた。

 しかし、課題の床運動と跳馬で点が伸びない。3種目を終わって最下位の8位に転落。しかし、最終種目の段違い平行棒で、何とかオーストラリアを抜いて7位に順位を上げた。塚原監督は「日本は団体で戦える力は強い。もう少しレベルを上げたい」と前を向いた。

 早急に、ロンドン対策に着手する。課題の床と跳馬のスペシャリストを育てる意向だ。決勝で、跳馬が合計41・866点で全体の6位。床は、ただ1カ国合計30点台の39・691点と最下位だった。「床と跳馬で、14点以上を取れる選手が数人必要」(塚原監督)。この日、14点台は跳馬で田中、寺本の2人、床で鶴見の1人だけだった。

 銅メダルの中国とは、合計で5・698点差。1種目で、約1・5点弱の差だ。塚原監督は「そう遠くないと思っている」と、メダルへ手応えは感じている。昨年の1月から22カ月合宿で鍛え上げた7人は、今度は、ロンドン五輪の代表争いに挑む。そして、今度こそ、ロンドンで念願のメダルを獲得する。【吉松忠弘】

 ◆ロンドン五輪日本代表選考方法

 来年の全日本選手権が第2次、NHK杯が最終選考会となる見通し。ロンドン五輪は今世界選手権までの世界大会と異なり、登録選手が1人減って1チーム5人。予選は各種目5人全員が演技し、上位4人の得点を採用する「5-5-4制」となる。各種目で選手を入れ替えられ、スペシャリストを置けた今までの「6-5-4制」と違い、選手はすべての種目で安定した演技を求められるため、選考基準も再考される可能性が高い。