アジア初開催のラグビー・ワールドカップ(W杯)がついに始まる。史上初の8強入りを目指す日本代表は、20日にロシアとの開幕戦(東京・味スタ)に臨む。

ロシア代表は、午後7時45分キックオフの開幕戦に合わせ午後6時ごろから約1時間、試合会場で最終調整を行った。照明を意識しながら短い距離のパス回しやラインアウトからのボール捕球などの細かな技術を確認。昨年11月の英国でのテストマッチでは、ファーストジャージーの赤を着用したが、今大会はアウェー扱いでセカンドジャージーの青を着て臨む。会見に出席したボイトフ・コーチは「この1年間でフィジカル、スピード、コンタクトなどの全てにおいてレベルアップした。明日は100%ではなく150%の力を出す。きっと面白い試合になるはず」と自信を示した。

ロシアは巨漢FWを前面に押し出すフィジカルが伝統で「ロシアンベアー」の愛称を持つ。今大会に向けて“脱ベアー”を図り、FWだけに頼らない「スピードラグビー」を目指し、強化をしてきた。代表109キャップを誇るSOクシナリョフの巧みなキックで前進させる戦術も大きな武器とする。

11年大会は全敗で終え、2度目の出場となる今大会の目標は、世界中が注目する日本戦でのW杯初勝利だ。プロップのモロゾフは「完璧な準備をしてきた。我々の進化を見せる時がきた」と番狂わせを起こすことを予告。不気味な熊がついにベールを脱ぐ。【峯岸佑樹】