DeNAは開幕前から、ルーキーたちのめざましい活躍で魅せている。ドラフト1位の浜口遥大投手(22=神奈川大)は開幕ローテ入りを決め、同9位の佐野恵太内野手(22=明大)も開幕1軍を手にした。上位から下位まで、指名順位に関係なくそれぞれの持ち味を発揮。それが相乗効果を生み出して、入団からわずか3カ月足らずの間に、急成長を見せているのだ。

 そんなルーキーたちを入団時から支えてきたのが、塚原賢治トレーナー(51)だ。1月9日から始まった新人合同自主トレを指揮。「2月1日の時点で既存の選手たちと競争しないといけない。そのための準備をする」と、毎日メニューを決め選手たちの土台をつくる。陸上出身とあって、走り方から教え込む。その中で、ただ体を動かすのではなく、何のために何をするのか? それをしっかりと説明することから始めているという。

 毎朝、練習が始まる前に神奈川・横須賀市にあるベイスターズ球場の食堂で全員集まる。同トレーナーが毎日用意したパワーポイント(発表資料作成ソフト)を使って、その日のメニューを説明。そして選手にも問いかける。「練習の意図や効果を理解してもらえば、選手もしっかりと意識してやれる」。練習後に再び問いかけると、不思議と選手たちは朝よりも口を開く。メニューを理解し考えて取り組んだからだろう。「パワーポイントを毎日つくるのは大変ですけどね」と苦笑いするが、選手の成長が原動力になっている。

 大洋時代の90年から入団した同トレーナーが、再び新人の自主トレを見るようになって3年目。一昨年は山崎康晃投手(24)が抑えとして37セーブ挙げ新人王を獲得。昨季は今永昇太投手(23)が先発で8勝をマークし新人王級の数字を残した。この一致は決して偶然ではないだろう。だから今季もルーキーたちの活躍を期待せずにはいられない。【DeNA 栗田成芳】