センバツ出場校を決める選考委員会が今週(1月23日)に迫った。

 恒例の大会入場行進曲は大ヒット映画「アナと雪の女王」の劇中歌「Let It Go~ありのままで~」に決定。今年も「ありのままで」、独断と偏見で出場校予想をしてみたい。

 まずは最も予想が難しい21世紀枠から。

 【21世紀枠=3校】

 松島(宮城)豊橋工(愛知)松山東(愛媛)の3校を予想。

 松島は東日本大震災の被災地であり、困難な条件を克服した点。さらに昨秋宮城大会4強ながら3位決定戦を制し東北大会出場。初戦で宮古商(岩手)に10-1で大勝した。2回戦で準優勝した大曲工に敗れたが2-3(延長10回サヨナラ負け)と善戦した実力が評価されている。この東北大会で1勝した実績は大きいと判断した。ただし懸念材料もある。神宮枠で東北は2校から3校に枠が増えた。さらに同じ宮城県からは東北大会優勝の仙台育英が間違いなく選ばれる。不安要素は地域性か。

 松山東は旧制松山中学以来の伝統を持つ文武両道の進学校である。歴史は古く野球殿堂入りした正岡子規が創部に関わったとされている。話題性は十分だが実力もある。昨夏県大会準優勝に続き秋も準優勝。四国大会は初戦敗退も2季連続の好成績は大きいとみた。

 残る1校、迷いに迷ったが豊橋工を予想した。このチームにはプロも注目するエース森奎真投手(2年)がいる。140キロ超の直球とキレのあるスライダーで愛知NO・1右腕と評価されている。昨秋愛知大会は3位。東海大会は初戦敗退したが、森投手をぜひとも甲子園で見たいと思い、豊橋工を推した。

 ほかにも昨秋石川大会優勝の金沢商、旧制和歌山中で文武両道の古豪・桐蔭も侮れないし、島根大会で準優勝し中国大会でも1勝を挙げた平田も可能性がある。が、今回は松島、豊橋工、松山東の3校で勝負したい。

 ※例年、ここで躓くため32校パーフェクト的中がなかなか達成できない。ちなみに過去3年の予想は12年=3校外れ、13年=2校外れ、14年=1校外れ

<21世紀枠候補9校>

北海道=北見工

東 北=松島(宮城)

関 東=富岡(群馬)

北信越=金沢商(石川)

東 海=豊橋工(愛知)

近 畿=桐蔭(和歌山)

中 国=平田(島根)

四 国=松山東(愛媛)

九 州=八幡南(福岡)

 【北海道=1校】

 秋の北海道大会で優勝した東海大四の夏春2季連続出場が確実。昨夏の甲子園を超スローボールで沸かせたエース西嶋投手(JR北海道へ)は卒業も、夏を経験したメンバーで秋を制し、明治神宮大会でも1勝を挙げた。

 【東北=3校】

 仙台育英(宮城)大曲工(秋田)八戸学院光星(青森)の3校を予想。

 東北大会優勝の仙台育英が神宮大会で優勝したことで「神宮枠」が与えられ3校に。仙台育英と準優勝の大曲工は確実として、残る1校が難しい。4強入りした八戸学院光星か鶴岡東(山形)のいずれかだろう。光星は呉屋、鶴岡東は福谷という左腕の好投手がいて甲乙つけがたいが、打力にやや分のあると思われる光星を選んだ。また、4強入りはできなかったが2回戦、準々決勝といずれも延長15回引き分け再試合を戦った花巻東(岩手)も魅力がある。

 【関東・東京=6校】

 浦和学院(埼玉)木更津総合(千葉)健大高崎(群馬)常総学院(茨城)平塚学園(神奈川)東海大菅生(東京)を予想。

 関東大会4強の浦学、木更津、健大、常総と、東京大会優勝の東海大菅生は間違いないだろう。頭を悩ませるのが6校目。関東大会8強の中からか、東京準優勝の二松学舎大付か…。

 まず関東8強(平学、東海大甲府、松戸国際、川越東)の中で、地域性から松戸国際(千葉)と川越東(埼玉)を落とした。平学と東海大甲府の比較が難しい。ともに県大会で優勝。関東大会でも1年生エースを中心に1勝を挙げている。しかも東海大甲府は準々決勝で浦和学院に善戦しており迷ったが、激戦の神奈川大会で桐蔭学園、横浜隼人、東海大相模、桐光学園といった強豪を次々と倒して優勝した実力がわずかに上とみた。

 さらに二松学舎大付と比較。これまた難しかった。二松学舎は昨夏甲子園でも活躍した1年生バッテリーを中心にまとまりがあり、東京大会でも好ゲームを演じた。優勝した東海大菅生には2-3で逆転負けを喫したものの、準決勝で強敵の関東第一を延長戦で破るなど実力差はほとんどない。悩みに悩んだがここは神奈川を制した平塚学園に敬意を表し6校目とさせてもらった。

 【北信越=2校】

 北信越大会を制した敦賀気比(福井)と準優勝の松商学園(長野)で間違いないだろう。昨夏甲子園で大暴れした敦賀気比はエース平沼翔太投手(2年)が投打の中心。センバツでも優勝候補に挙げられるはず。松商学園の古豪復活にも期待したい。

 【東海=2校】

 東海大会優勝の静岡と同準優勝の県岐阜商が確実。静岡は昨夏甲子園メンバーが多数残り、センバツでは上位進出を狙う。県岐阜商は何といってもドラフト1位候補、最速152キロ右腕の高橋純平投手(2年)に注目。センバツでどんな投球を見せてくれるか、春が待ち遠しい。

 【近畿=6校】

 天理(奈良)立命館宇治(京都)龍谷大平安(京都)奈良大付(奈良)大阪桐蔭(大阪)近江(滋賀)を予想。

 昨秋近畿大会4強の天理、立命、平安、奈良大付は確実。残り2校を8強の中から選んでみた。大阪桐蔭は昨夏甲子園で優勝。秋の大阪も制し近畿大会は準々決勝で優勝した天理に2-3で敗れた。夏の甲子園3回戦で八頭を完封した左腕田中、野手では青柳、福田のレギュラーがチームを引っ張る。近江も昨夏甲子園で活躍したエース小川が健在。センバツを勝ち抜く力は十分ある。この両校が同じ8強の箕島(和歌山)北大津(滋賀)の力を上回っているとみた。

 残念ながら甲子園の地元、兵庫からは出場校ゼロになりそうだ。近畿大会に出場した神戸国際大付、報徳学園、津名の3校がいずれも初戦敗退。21世紀枠の候補にも兵庫の学校は入っていない。1982年(昭57)の第54回大会以来33年ぶりの寂しい春となってしまうのか。

 【中国・四国=5校】

 中国地区から宇部鴻城(山口)岡山理大付(岡山)米子北(鳥取)の3校、四国から英明(香川)今治西(愛媛)の2校と予想。

 中国大会優勝の宇部鴻城、同準優勝の岡山理大付は確実。さらに四国大会優勝の英明、同準優勝の今治西も確実だろう。

 残る1校を中国から選ぶか四国から選ぶかになるのだが、21世紀枠で四国・愛媛の松山東が選ばれると予想。そこで中国3、四国2の割り振りとした。中国の3校目は4強(米子北、宇部商)の中から地域性で米子北とした。

 ※今治西は四国大会の試合中に監督がベンチ入りしていた2年生部員を3回平手打ちした。12月の審査室会議では学校からの報告書に不備があり、1月30日の会議で審議することになっている。

 【九州=4校】

 九州大会優勝の九州学院(熊本)、同準優勝の糸満(沖縄)、同4強の九産大九州(福岡)と神村学園(鹿児島)の4校が順当に選ばれそうだ。地域的にもばらけており、確実とみた。