センバツ高校野球(3月23日開幕)に出場する静清(静岡)が8日、沖縄強化合宿6日目を迎え、現地で最後の紅白戦を行った。エース右腕・野村亮介投手(2年)が主力組で先発し、3回10打者を47球で被安打1に抑えた。変化球の切れ味が増し、二塁を踏ませぬ快投だった。今日9日に帰静するため、事実上最後の練習を、大黒柱が締めくくった。

 沖縄最後の投球は、空振り三振で締めた。野村は控え組相手に先発し、3回でポテンヒット1本のみ。合宿中3度の紅白戦登板で計8回で四死球は1。昨年秋の公式戦1試合平均四死球1個弱の制球力は健在だ。野村は「沖縄で実戦感覚を取り戻すことができた。暖かいところでやれたことは、すごくいい経験になった」。沖縄で充実した日々を過ごし、今日静岡に帰る。

 今合宿から解禁した変化球に手応えを感じている。「特にスライダーがよくなっている。秋よりもボールのキレがある」と、決め球にも使うスライダーは、切れ味を増してきた。一方で課題も浮き彫りになってきた。「チェンジアップがまだ安定していない」。フォークには定評はあるが、さらに球速に変化がつけられる落ちるボールがあれば、緩急自在。開幕まで残り42日の宿題となった。

 打っては3打数2安打。4番打者として打席に入るが「打撃ではノンプレッシャーでやれている」と、のびのび結果も残している。振り返ってみれば、あっという間に終わろうとしている沖縄強化合宿。187センチのエースは間違いなくひと回り成長し、南の島を後にする。【栗田成芳】