史上初の快挙へ、準備は整った。ソフトバンクがリーグ再開カードの楽天3連戦を2勝1敗で勝ち越した。打撃の調子を落としていた松田宣浩内野手(33)が16号2ランを放つなど快勝だった。最短の優勝マジック点灯は29日で、過去例がない6月点灯なるか注目。さあ、今日27日から2位ロッテを直接倒し、最速マジック点灯だ。

 前代未聞の6月マジックへ、弾みをつける放物線だった。2点リードで迎えた8回。松田が楽天青山の初球スライダーを捉えた。左翼席に飛び込む16号2ラン。「感触は良かった。完璧だった。交流戦の後半から打てていなかったので、打ちたいと思っていた」。相手の戦意をそぐ会心の一発。接戦の多いチームにゆとりをもたらすダメ押し打になった。

 ここ数試合、打線は下降傾向にあった。6番打者の不振が大きく影響した。過去5戦で、18打数1安打。この日も3打席で凡退していた。5回には長谷川敬遠の後で、松田は意地を見せられなかった。「しっかり捉えれば、ああやって飛ぶ。あまり考えすぎずにね。打てないからと気持ちが落ちるのではなく、練習の成果を出せばいい」。試合前練習で恒例のロングティーでは「いいやん!」と自らを鼓舞し、打撃フォームを丁寧に確認。この日は工藤監督も話しかけた。「右手が強くなり過ぎると良くない。左手を意識すればどうか、と」。鮮やかなアーチで不安を消し去った。

 逆転負けのショックを引きずらず、横綱相撲で楽天に勝ち越した。これで5カード連続勝ち越し、10カード連続で負け越しがない。優勝へのマジック点灯は最短で29日。「そうなんですか…。それよりも、どのチームとやっても、勝ち越せるようにしたい。(マジックは)ファンの皆さんが楽しんでもらったら。勝ち越すために最善を尽くすだけ」。工藤監督は取り合わなかったが、トンネルを抜けた松田が気勢を上げた。「明日(27日)から、ロッテと3つある。3連勝したい」。今日27日から2位ロッテとの直接対決。史上初の6月点灯に期待が膨らんだ。【田口真一郎】

 ▼ソフトバンクは最短29日にマジックが点灯する。27、29日のロッテ戦に2連勝し、27~29日に日本ハムが2敗していれば、マジック60がつく。なお、過去の最速マジック点灯は65年南海で、7月6日にマジック62がついた。