巨人大田泰示外野手(26)公文克彦投手(24)と、日本ハム吉川光夫投手(28)石川慎吾外野手(23)の2対2のトレードが2日、両軍から発表された。

 大胆に血を入れ替え、チームを活性させる。吉川放出は一時的な戦力ダウンではあるが、中期的にはプラスと判断した。先発では3年目の右腕、高梨が今季途中から軸の1人となり、ルーキー左腕加藤も台頭してきた。今季終盤はローテを外れるなど、伸び悩んでいる吉川にきっかけを与えたいという親心もあった。右打ちの長距離砲は日本人では中田しかおらず、陽岱鋼もFA権を行使し、退団する可能性がある。補強ポイントと合致した。

 「格差」をいとわない強化方針にはブレがない。過去には、優勝に貢献した守護神マイケル、糸井をトレードに出し、他球団のこれと思う選手と交換してきた。チーム内の競争活性化で埋もれる才能を開花させ、移転13年でリーグ優勝5度、Aクラス10度の歴史を築いた。まだトレード発表前ではあったが、栗山監督がこの日語った言葉がすべてだ。「ファイターズの歴史の中で、優勝したら、さらに1歩前に出るというのがある。同じメンバーでやっても、同じように勝てない」。【本間翼】

 ◆吉川光夫(よしかわ・みつお)1988年(昭63)4月6日生まれ。福岡県出身。広島・広陵では甲子園出場経験なし。06年高校生ドラフト1巡目で日本ハムに入団。12年に14勝を挙げMVP、ベストナインに輝き最優秀防御率のタイトル獲得。通算成績は162試合48勝56敗3セーブ、防御率3・71。178センチ、76キロ。左投げ左打ち。今季年俸9500万円(推定)。

 ◆石川慎吾(いしかわ・しんご)1993年(平5)4月27日生まれ。大阪府堺市出身。東大阪大柏原3年夏には主軸として春夏通じて同校初の甲子園出場に貢献。高校通算55本塁打。11年ドラフト3位で日本ハム。通算成績は103試合、打率1割9分3厘、3本塁打、23打点。178センチ、76キロ。右投げ右打ち。今季年俸1000万円(推定)。