<巨人2-0楽天>◇30日◇東京ドーム

 巨人杉内俊哉投手(31)がノーヒットノーランを達成し、記者会見を行った。会見の様子は以下の通り。

 -試合を振り返ると

 杉内

 徐々にことの重大さに気が付いたというか、分かってきました。

 -どこから意識を

 杉内

 初回からヒットを打たれていないことは分かっていましたし、回を追うごとに、もちろんその意識は強くなっていくんですけど、由伸さんの2ランで、チームの勝つことが前提に、まずは勝つこと、そして自分の投球をしようと思っていました。「できればいいな」という感じですね。

 -9回2死まで完全試合だった

 杉内

 あのとき、阿部さんが来て、何て言ったかな?

 忘れた。何か言ってましたね。僕もテンパってましたので忘れました。

 -9回2死、抑えれば完全試合の代打中島選手にはどう向かったか

 杉内

 もちろん、際どいところを狙っていこうというのはありましたし、2-3になった時点で、真ん中に投げるのは、僕は無責任と思った。それだったらコース狙って、四球だったら、次、ノーヒットノーランを狙おうと、気持ちの切り替えはできた。

 -どのように

 杉内

 ノーヒットノーランは残っている。もしも、ヒットを打たれても完封は残っている。そんなにはガチガチになることはなかったですね。

 -ノーヒットノーランは

 杉内

 甲子園ではあるんですけど、その後だと、教育リーグで。はい。調べてください(笑)。

 -歴史に残った

 杉内

 先月、マエケン(広島前田健)がやって「すげえ」って思っていたんですけど、まさか自分が、今日、あまり相性の良くない楽天からノーヒットノーランできるとは、まったく思っていませんでした。相手は田中マー君でしたので、今までの成績を見ると1勝もしていないので「何とかチームに勝ちが付くような投球を」と思ってマウンドに上がって、信じられない感じですし、チームが勝ったことがすごくうれしいですね。

 -今日の投球で良かった部分は

 杉内

 真っすぐ、スライダーがすごく良かった。チェンジアップはあまり良くなかった。左打者には外スライダー、外真っすぐを主体に。それで(相手打者が)全然合っていなかったので。

 -完全がなくなった後、川口コーチがマウンドに

 杉内

 チームが勝つことをまず考えようと、ここは切り替え、次の打者を抑えようと言っていました。間が空いたので、次の打者にスーっと勝負できたと思います。

 -最後のボールの印象は

 杉内

 投げた瞬間「低いな」と思った。やはり低かったですね。

 -完全試合を逃した悔しさは

 杉内

 もちろんできれば良かったですけど、まあ、勝つことの方が、僕は重要なので。ましてや田中マー君を相手。こういう試合になって9回。たとえ、ヒットを打たれても、勝てばヨシって思ったので。そこで落胆はなかったですね、四球を出した瞬間には。真ん中投げるのは無責任と思った。

 -四球になって、悔いはない?

 杉内

 時間が戻るならストライクに投げたいですね(笑)。

 -四球の前、直球だった。直球で三振を取りたかった?

 杉内

 直球で三振を取るぞという変な意地はないです。間違いなくチェンジアップ狙っていると思ったので、アウトコースに思い切って腕を振って投げようというのはありました。

 -阿部捕手のサイン通り?

 杉内

 いえ、そこは首振って直球を投げました。

 -力んだ?

 杉内

 2-2からですね。2-1のボールはすごくいいところに行ったのですが、2-2のボールは力みましたね。力みましたね。

 -高校時代のノーヒットノーランと比べると

 杉内

 うれしいですね。勝ったことがうれしいです。

 -阿部選手の言葉を覚えていないと言っていたが。興奮してましたか

 杉内

 興奮。あと1人と思ってましたから。ファンの声でみんな期待しているのだなと感じました。僕自身、今年にかける意気込みは強い。けがなくローテーションを守り、結果を残したい。

 -ロッカールームで歓声が起こっていたが

 杉内

 みんな出迎えてくれて「すげえ、すげえ」って。

 -由伸の本塁打はどう感じた?

 杉内

 メッチャ、うれしかった。0-0のまま行くのかなと思ったので。

 -これまで勝てなかった田中との戦いで、どうマウンドに臨んだのか

 杉内

 やはり、マー君に勝てていないのは分かっていた。厳しい戦いになるのは重々感じていた。勝てばいいものをノーヒットノーランになったので、信じられない感じ。

 -田中も良かったが、刺激になったか?

 杉内

 昨年、ヤフードームで2-1で負けているので、その時の思いがありました。その時も7回までノーヒットノーランしているんですよ。その部分がよぎったのですが、7回に2点奪われて負けたので、まさか、今日も同じ展開じゃないかと。僕自身の勢いが増しました、8回、9回と。

 -昨年との違いは

 杉内

 今年は真っすぐスライダーがすごくいい。昨年に増してレベルアップしているなと。ここ2年、真っすぐ、納得していなかった。今年はキャンプでいい感じで投げられた。

 -ノーヒットノーラン

 杉内

 社会人時代はないです。パーフェクトは高校時代に練習試合であります。公式戦ではないです。

 -今日、ノーヒットノーランをできた要因は

 杉内

 運もあります。飛んだコースでアウトになるのもプロ野球。ちょっとずれていればヒットになったのも2、3本ありましたから。痛烈なあたりが3本くらい。高須さん、テレーロも。

 -巨人の18番でノーヒットノーランしたことの意味は?

 杉内

 ノーヒットノーランしようと巨人に来たわけではないので。1年間活躍して、認めてもらうのが僕の目標なので。ノーヒットノーランまでいていいのかなというのはあります。

 -重さを感じないのでは

 すべてを18番らしくと思ってますので。

 -両リーグトップ7勝

 杉内

 そっちの方がうれしいですね。自分の投げる試合で、貯金が6個できているのが、自信になるし。ノーヒットノーランは今日だけの喜び。明日になれば過去になる。僕はまた来週投げる、そこで勝たないといけない、そういうことをやっていきたい。ノーヒットノーランは毎回できるものではないですから。