<ソフトバンク0-6日本ハム>◇1日◇福岡ヤフードーム

 ハムの鷹キラーが、今季も健在ぶりをアピールした。日本ハム武田勝投手(29)が先発し、ソフトバンク打線を7回2安打無失点に抑え、チームトップの2勝目をマークした。ソフトバンク戦は1年目の06年9月から負けなしの5勝を挙げており、不敗記録は3年越しで6に伸ばした。8、9回には武田久(29)マイケル中村(31)の「HAMの方程式」が今季初めてそろって登板し、完封リレーで締めた。

 4月1日。エープリルフール。プロ初完封ペースの武田勝が、うそのように簡単にマウンドを譲った。7回無失点で、しかも81球。残り2イニングの未練を、あっさりと断ち切った。武田久-マイケルを投入する勝ちパターンで、完ぺきに逃げ切った。「あれはうちの勝ち方なんで、すんなりと」。やや襟足が長めのヘアスタイルだが、後ろ髪は引かれない。現実的な、今季2つ目の白星を淡々と受け止めた。

 クールに鷹の翼を、またもへし折った。ほぼ130キロ台中盤の速球が、組み立ての中心。右打者にはスライダー、左打者へはシュートで懐をえぐる。チェンジアップでタイミングを外し、打ち気もそらした。7回をわずか2安打。多村、松中、柴原の中軸には計1安打。柴原の内野安打1本に抑えた。川崎、本多のチャンスメーカーは無安打と仕事をさせない。6回1死二塁のピンチでも、簡単に、その1、2番コンビを封じ込めた。

 柔よく剛を制す。プロ入り3年間、このカード負けなしの6勝目。研究を重ねているはずの難敵を、完ぺきにねじ伏せている。球速は増すことはないが、プロで生き抜くための陰の努力が支えだ。キャンプ中には今季、西武から加入した清水外野守備走塁コーチに助言を求めた。クイック時のクセの有無を、他球団の視点から客観的に指摘を受けた。詳細を明かすことはないが、わずかな動作の修正にまで心血を注ぐ。「ソフトバンク打線は打つので慎重にいったのが良かった」。1球1球の繊細な集中力へとつながっている。

 今季は開幕からローテーション入り。昨季まで2年間は中継ぎスタートで、先発陣が緊急事態に陥った際に、二足のわらじで結果を残してきた。「完ぺきやね。(5回に内野安打がなければ)完全試合やったね」。梨田監督が全幅の信頼を寄せる、左のエースの大役を任された。今季は2戦2勝で、チームトップ。チームに早くも今季3度目の完封勝利をもたらした。4月、白星スタートへと導いた。「僕は、うそはつきません」。ちょっと地味だが、本物の力で、マンガのような痛快ショーの主役になった。【高山通史】