<ソフトバンク3-1巨人>◇5月31日◇福岡ヤフードーム
さすが「ミスターメイ」だ。ソフトバンク杉内が巨人打線を9回5安打1失点に抑え、5勝目を3度目の完投で飾った。5月は4連勝で、昨年からだと9連勝と負け知らずだ。「暑くもなく、寒くもなく、ちょうどいい月」。この日は8三振、1四球で5月は5試合で通算51三振、2四球。月間の50奪三振以上、1ケタ四死球は94年8月紀藤(広島)以来13年9カ月ぶりで、80年以降のパ・リーグでは杉内だけだ。
主軸の前に1度も走者を出さなかった。打者32人と対戦し、23人が初球ストライク。絶妙のコントロールで球を操った。クリーンアップに許した安打はラミレスの1本だけ。下位打線の連打で許した5回の1失点に「途中でみっともない投球でした」とお立ち台でファンに謝った。打撃3部門トップだったラミレスにも9回の中前打されるまでは3打席すべて空振り三振。「ラミちゃんに最後、ヒットを打たれちゃったねぇ」。自称「完ぺき主義」の男らしかった。
王監督に「うちのエースだからね」と言わしめた。「みっともないところは見せられんやった。だって試合中、(姿が)見えるんやもん」と杉内。手術した右肩のリハビリをする米国から一時帰国したエース斉藤が、バックネット下の部屋で今季初めて観戦していた。“留守中”を任され、太平洋を挟んだメールのやりとりで励まされた杉内が燃えないはずがなかった。
おまけに日本代表の星野監督がテレビ解説をしていた。昨秋は北京五輪アジア予選の日本代表最終候補入りを股(こ)関節痛の影響で辞退。「シドニー五輪は負けたし、行けるなら行きたい」。5月の月間MVPも有力になった杉内は、あと70日を切った五輪出場の思いも新たにした。「来月も頑張りますよ」。チームは3連勝で貯金1。今季のエースは6月の無敗も誓った。【押谷謙爾】



