中日落合博満監督(54)が、次代のエース中田に、異例の直接アドバイス行った。27日横浜戦(横浜)でのリーグ再開を前に25日、ナゴヤドームで練習。現在5勝5敗と精彩を欠く右腕に歩み寄って、マンツーマンで約10分間話し込んだ。

 どっかりと座る落合監督と、直立不動の中田。川上、吉見がランニングをする中で練習を中断しての“公開ゲキ”だった。指揮官は、打者への技術指導は日常的に行うが「投手のことは投手コーチに聞いて」が持論だけに、珍しい光景だった。練習後の中田は「考えすぎじゃないか、もっとシンプルに考えればいい、と言われました」と話した。

 中田は制球を重視したために、最大の武器である球威が低下して5月は未勝利。前回登板の22日ロッテ戦は1回2/3で5失点してプロ最短KOを喫した。落合監督は14日にオリックス清原を引き合いにして「今まで1番もったいないと思ったのは清原だよ。今の中田と一緒や」と評した。その実力を認めているだけに異例の直接行動に出た形だ。

 落合監督は話し合いが終えると、中田を岩瀬のもとに連れていき「経験のある投手に聞くのも手だぞ」。守護神岩瀬も「マウンドに悩みを持っていってもしょうがないぞ」とアドバイスを送った。中田は「監督にいろいろ話をしていただいた。あとは自分がどう解釈するかです」。6・5ゲーム差の首位阪神追撃へ、指揮官は中田の復調を期待していた。【益田一弘】