<セCS第2ステージ:巨人3-4中日>◇第1戦◇22日◇東京ドーム
センターへ加速する打球を見て、中日中村紀洋内野手(35)は右手を突き上げた。9回2死一、三塁。巨人クルーンの高速フォークにバットを合わせた。激戦の勝敗を決める決勝中前適時打。ぼうぜんとする巨人ベンチを尻目に一塁ベース上でガッツポーズを繰り返した。
「前の2打席チャンスで打てなかったんで…。集中してヒットでもいいと思っていた。今日が一番大事だと思っていた。これで1勝1敗のタイですから」。昨年の日本シリーズMVP男が意地を見せた。その前の2打席では屈辱的な凡退をしていた。5回1死満塁では西村健の内角球に三ゴロ併殺打。7回2死一、二塁では山口の前に三振。3度目のチャンスを逃すわけにはいかなかった。CS進出を決めた10月4日巨人戦の9回、東京ドームでクルーンから決勝3ランを放ったドラマを再現した。
2年連続でCS第2ステージ初戦を制した落合監督は4時間5分の熱戦に「中村紀?
その前に打ってくれりゃあ、なんということはないんだけど」と苦笑い。ただ初戦を制し「うちは普通のことを普通にできている。経験している分だけね」と自信を見せた。
この日、都内の自宅を出た落合監督はカバンの中に長男福嗣さんが早朝に買ってきた「赤飯おにぎり」をしのばせていた。実は20日の阪神とのCS第1ステージ第3戦前、「家族3人で同じものを食べよう」と電話があった。遠距離ながら3人で赤飯おにぎりとおでんを買って食べるとライバルとの決戦に勝った。この日の朝も同じメニューで出陣した。
これで1勝1敗。それでも落合監督は「今日は今日として明日のことしか考えない」と一戦必勝の姿勢は変わらなかった。【鈴木忠平】



