<横浜6-3広島>◇15日◇横浜

 横浜は1つでなく、2つ前を狙う。8回裏、挟殺プレーでの広島守備陣の乱れから1点勝ち越してなお1死二、三塁だった。広島先発大竹のショックと動揺を見透かして石川雄洋内野手(23)が投前へスクイズを決めると、二走の吉村が三塁を迷わず回る。一気に本塁を陥れ、2ランスクイズが完成された。スキに付け込む機動力での勝利は、失敗が糧になっていた。

 田代富雄監督代行(55)は「とにかく1つ先、2つ先に行こうと言っている。(2ランスクイズはサードコーチの)水谷さんがやってくれたと思う」と説明した。12日のヤクルト戦(神宮)でも同様の場面でスクイズし、本塁を狙った二走の吉村は刺された。今回は挟殺プレーのエラーなどで相手は落胆している。2つ先に行く「条件と準備」があった。

 100試合を超え、借金25で最下位という現実は重たい。だが2つ先を奪う貪欲(どんよく)さがチームに根付いてきたことに、違いはない。

 [2009年8月16日9時12分

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