<巨人7-0ヤクルト>◇5日◇東京ドーム
巨人内海哲也投手(27)が、プロ入り2度目の無四球完封で復活した。9回を自己最多142球9奪三振の力投で約1カ月ぶりの6勝目。スタンドでは妻聡子さん(26)、長男瑛太君(1)が観戦していたが、聡子さんは現在、妊娠6カ月で来年1月に第2子となる男児を出産予定。「新しい家族」の前で大黒柱が堂々とした姿を見せた。チームは優勝マジックを2つ減らして「17」とした。
愛する家族にささげる1勝だった。マウンドを守りきった内海は、大きくガッツポーズ。クルリと振り返り、バックネット裏に目を向けた。視線の先には妻聡子さんと長男瑛太君の姿。アイコンタクトで歓喜の瞬間を分かち合った。「最高っす。めちゃくちゃうれしいです」。お立ち台で興奮を抑えきれなかった。
身重の体で観戦に訪れた妻へのメッセージを、夫はボールに込めた。
内海
嫁のおなかには新しく生まれてくる子供がいるけど、動きたいざかりの瑛太もいる。1人でこなすのは、めっちゃ大変やと思う。自分がきっちり仕事すれば、安心してくれるんやろうけど、こんな成績で…。心配ばかりかけてるし、何とか挽回(ばんかい)して、嫁を喜ばせたい。
家に帰れば、妻を最大限にサポート。「洗濯をたたんだりするのが僕の日課。全然苦じゃない。だって家族なんだから」と優しい笑顔を見せる。だが、内海は心に誓っている。「野球人として、グラウンドで結果を出す」と。1月に新しく誕生する息子に、ぶざまな姿を見せるわけにはいかなかった。
マウンドに上がれば、無心だった。8月7日ヤクルト戦で5勝目を挙げて以来3連敗だったがこの日は違う。9回、代打畠山の4球目にこの日最速タイの144キロをマーク。マウンドでの躍動感と比例するように、直球には球威があり、スライダーのキレも抜群だった。「調子は良かったです。阿部さんにも『今日はいいから』と言われて、自信を持って投げた」と胸を張った。9回2死一、二塁、最後のピンチも、宮本をチェンジアップでゲームセット。今季最多の142球の熱投は、前夜5時間27分を戦い抜き、疲労感の残るチーム、そしてリリーフ陣を救う白星だった。
気迫は打席でも表れた。6回2死一、二塁で中前適時打を放ち、両拳を強く握った。原監督は「彼がこういうピッチングをしてくれれば、チームにも大きな力になる。これが完成型ではなく、足掛かりにしてもらいたい」とさらなる成長を期待した。「これまでチームに迷惑をかけたので、9月と10月で巻き返したい」。来年1月。日本一の称号を手に、新たな家族を迎える。【久保賢吾】
[2009年9月6日8時28分
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