中日吉見一起投手(25)が11日、初の開幕投手を目指すことを初めて明言した。名古屋市内の住宅展示場でトークショーに出演し、1300人のファンとの質疑応答コーナーで話題を振られ「開幕戦に合わせると(油断が出て)ファームでやることになる。えっ、そんな答えじゃだめですか?」と苦笑い。「わかりました。ボクがやります!」と言い切った。

 今季の開幕投手については、昨季防御率NO・1の同僚チェンが11月13日に「やってみたい気持ちはある」と話している。もう1人の有力候補である吉見は、特定の試合よりシーズンを重視する考えから明確な表現を避けていた。それでも、ファンの期待は裏切れなかった。最多勝右腕の自覚にも背中を押された。今季目標も「昨年以上の勝ち星」と17勝に上方修正し、あえて自らを追い込んだ。

 沖縄キャンプでは火花を散らして真っ向勝負と思いきや、意外にも宿舎のホテルでチェンとの同部屋を希望した。昨年も2人部屋で共同生活し、寝食を共にしながら刺激し合ったという。「チェンは年下ですけど認めているんです。話を聞いてタメになる。異国であれだけ熱心にやるヤツはいない」。希望がかなえられなくても、時間を見つけて野球論をたたかわせるつもり。助け合いながら、激しく争う。

 落合竜の開幕投手は04年が川崎、昨年は浅尾と「サプライズ」が2度あり、今年もどうなるかわらかない。それでも、競争の中心に吉見とチェンがいることだけは確かだ。【村野

 森】

 [2010年1月12日10時29分

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