トレードある!

 ソフトバンク王貞治球団会長(69)が26日、チーム強化の手段としてトレード補強の推進を打ち出した。より積極的に可能性を探るため、まずは情報収集から着手する。今年から新設された編成委員会の第1回会議が2月8日に宮崎で行われる予定。副委員長として事実上のトップを務める同会長も出席して、今後の強化方針を固めていく。

 手段は選ばない。03年を最後に優勝から遠ざかっているチームの再建へ、王会長が大ナタを振るう覚悟を口にした。所用で訪れた本拠地・福岡ヤフードームで、野太い声が熱を帯びた。

 王会長

 もともとウチはトレードについてはあまり活発じゃなかったけど、去年より(編成にかかわる)人数もそうだけど、意識も変わっている。(トレードが)実現できるかできないかは別として、情報集めは内容の濃いものになる。

 「世紀のトレード」再現の可能性も十分だ。ダイエー時代の93年11月には3対3の大型トレードで西武から現監督の秋山らを獲得。最近では多村や村松らをトレードで獲得してきたが、今年から編成委員会を中心とする新体制が発足したことを機に、より積極的に画策していくことになる。

 「情報がなくてはどうしようもない」と、今後はまず情報収集から着手する。“王人脈”もフル活用する構えで「こちらから(情報を)求める時もあれば、向こうからの時もあるからね」と自信をのぞかせた。

 さっそくキャンプ期間中の2月8日には宮崎で、編成委員会の第1回会議が行われる。「早急にどうこうということはないけど、キャンプでみんなが集まっているからね。情報交換を活発にしていこうということ」。委員長は笠井オーナー代行が務めるが、事実上のトップは王会長。今月19日には監督・コーチ会議へ出席したほか、キャンプも初日から視察する予定で、現場の意見をふまえた上で今後の方針を固めていく。

 もちろん手段はトレードだけに限らない。外国人補強についても、メジャーキャンプへ調査担当者の派遣を検討するなど「何かあった時に対応できる準備はしておく」と情報収集を継続する。チーム強化のためなら例外はない。常勝軍団の復活へ、あらゆる手を尽くしていく。【太田尚樹】

 [2010年1月27日11時53分

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