<広島0-8横浜>◇29日◇マツダスタジアム

 清水直行投手(34)の投打にわたる大活躍で、横浜が2連勝で4位に浮上した。清水は8回を5安打無失点の好投で3勝目を挙げれば、打っては4回2死一、三塁で先制の2点適時二塁打を放ち、プロ11年目で初打点をマークした。8回に広島天谷の打球が右ひざを直撃。08年8月28日以来の完封勝利を目前に降板したが、この日はワンマンショー。「ヒットはおまけだけど、低めに集めてゴロを打たせる狙い通りの投球ができた」。痛めた足をひきずりながらも「大丈夫」と笑顔でファンに手を振った。

 「1イニングでも多く投げる」という一念でマウンドに上がった。先発陣は清水が3月30日に8回を投げたのが最長。リリーフ陣の疲労蓄積を肌で感じ取っていた。ましてやチームは9連戦のまっただ中。意地の見せどころだった。「行けるところまで行こうと思っていた。リリーフを休ませられてよかった」。最後は小林太にマウンドを譲ったが、広島打線を寄せ付けなかった。

 昨年11月の入団会見で「チームで一番多く投げる」と宣言した。6試合で40イニングは公約通りチーム最多。頼れる右腕に尾花監督も「投げても打ってもチームを引っ張ってくれた」と絶賛した。【鈴木良一】

 [2010年4月30日9時24分

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