<ヤクルト3-3楽天>◇27日◇神宮
新生ヤクルトが総力戦の末に、楽天と延長12回引き分けて、連敗を止めることができなかった。26日、高田繁前監督(64)が辞任し、小川淳司監督代行(52)が初采配。2点ビハインドを1度は逆転したが、9回に追いつかれた。ベンチ入り野手を総動員したが、37年ぶりの10連敗、そして借金20を先送りするのがやっとだった。
新体制のヤクルトは、ほろ苦スタートとなった。今季チーム最長の4時間34分を戦い終えた小川監督代行は「正直、勝てなかった気持ちが強い」と疲れた表情を見せた。
2点を追う7回、相川の走者一掃の3点二塁打で3-2と逆転。しかし9回、松岡が1死二塁から聖沢に中前適時打を許し、土壇場で同点とされた。小川監督代行はこの時、外野の守備位置を前にする守備隊形を思いついたが、ちゅうちょした。「私のミスで同点にされた。悔いが残ります」。それでも、一時は試合の主導権を握った内容に「次に生きてくれれば」と前向きにとらえた。
96年からコーチや2軍監督を歴任し、野村、若松両監督の野球を勉強。高田前監督が就任した08年からは1軍ヘッドコーチに就任し、データを活用する「ID野球」と機動力野球を合わせた戦いを理想と掲げた。今季は選手が突然起用を告げられることもあったが、ベンチではある程度の方向性を伝え、選手からも「やりやすかった」という声が上がった。
降ってわいてきたような監督代行。守護神林昌勇がこの日抹消されるなど状況は厳しい。試合前、動揺が残るナインをクラブハウスに集め「同じ方向を向いて頑張ろう」と語りかけた。泥沼のチームを率いるが、生活リズムは変えない。神宮での試合の日は午前9時ごろに球場に到着し、球場周辺や神宮外苑などをジョギング。試合直前は、店舗が並ぶ一塁側の一般通路を通ってベンチ入りする。この日もファンや球場関係者の激励を受けながら「初陣」に向かった。
球団37年ぶりの10連敗は逃れた。しかし、指示をためらったことで、勝ち試合を逃したのも事実。「9回の1点を抑えるのがいかに大変か分かった。その中で初めてプロとして評価される」。失敗のスタートを糧にする。【由本裕貴】
[2010年5月28日9時23分
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