<ヤクルト6-3ロッテ>◇6日◇神宮

 確かな手応えを感じさせた。勝っても負けても小さな声でしか話さないヤクルト小川淳司監督代行(52)の声が、いつになく大きくなった。終盤での逆転勝ちに「一番、いい勝ち方。序盤はよくなかったけど、こういう勝ち方は選手の気持ちがひとつになっていけるから」と笑顔をみせた。連敗阻止へ一丸になったチームの戦いぶりに満足そうだった。

 田中の逆転3ランが、変ぼうしたチームを象徴していた。1点差の7回2死一、三塁、右方向に追っ付け気味に放った打球が右翼席に突き刺さった。「つなぎの意識でした。コンパクトにシャープに振るように心掛けました」と殊勲打を解説した。内角球が得意で“引っ張り欲”の強い男がチーム打撃に撤した瞬間、まさかの逆方向への1発になった。ベンチに帰った田中は、うっぷんを晴らすかのような選手たちの強烈な平手打ちと蹴りを食らい続けた。

 選手に気遣い、温厚な人柄の小川監督代行の存在が、現在のチームにマッチし始めた。3回無死一塁、走者だった宮本が、けん制球でアウトになると「ボークだろ」とベンチを飛び出した。飯田一塁ベースコーチが制止したため、グラウンドでの抗議にはならなかったが、渡辺俊の“反則スレスレ”のけん制に引っかかった選手からすれば、救われる行為。「選手思い」のアクションは、チームをまとめる効果もある。

 監督代行を務めた8試合で4勝3敗1引き分け。連勝もないが、連敗もなし。守護神林昌勇も復活し、かつてはツバメ打線の武器でもあった「チーム打撃」も復活。巻き返しの態勢は整いつつある。【小島信行】

 [2010年6月7日8時30分

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