<阪神6-7巨人>◇13日◇甲子園

 真弓阪神が5月2日以来の「奪首」に失敗した。2点リードの7回にブラゼルの失策で追いつかれる。9回には巨人高橋の飛球を巡り、審判の微妙な判定も藤川球が乗り切ったが…。延長12回、西村憲投手(23)が長野に決勝3ランを浴びて力尽きた。手が届きかけた首位の座が、再び遠のいた。

 阪神西村がうつむいた。延長12回1死一、二塁。城島の内角低めの要求通りにはいかなかった。カウント1-0からの外角高めを長野に右翼席まで運ばれた。「先頭打者(の安打)がいけなかった。申し訳ないです」とうなだれた。

 リードした城島は「イメージした球とは少し違いましたけど。西村も経験。プロで長い間メシを食うことは簡単じゃない。(逆球が)技術の問題なのか、意識の問題なのか、互いに確認した上で明日また投げればいい」と奮起を促した。外野が前進してゴロ安打での本塁生還を阻止するシフトだったため「上を越されたことはバッテリーとしてはよくない。天王山とかいうけど、巨人3連戦だけがゲームじゃない。選手は冷静に。まだまだ相手を意識するのは9月に入ってからだと思う」と、前向きに振り返った。

 痛かったのはブラゼルの失策だった。「エラーが負けにつながった。申し訳なかった…」とポツリ。2点リードの7回2死一、二塁。松本が引っ張った平凡な一塁線寄りの打球を後逸し、2者を生還させてしまった。あと1歩、足を踏み込めていれば最低でも止めることはできたはず。甲子園を包んだため息は主砲の耳にも突き刺さった。

 4時間20分の末に、あまりに痛い敗戦。雨に打たれ、ベンチで立ったまま、ゲームセットの瞬間を見つめた。真弓監督は目を充血させ、グラウンドに背を向けた。「(巨人戦は)あと2試合というか、ずっと続くんでね。1戦1戦やるだけだ」と、悔しさをかみ殺すように切り出した。

 先を見越した采配も見せた。7回裏、先頭の浅井が出塁し、続く打者は投手のスタンリッジ。球数は100球を超え、代打も考えられた。それでも続投を決断した。9連戦の初戦から疲労困憊(こんぱい)の中継ぎ陣を使いたくなかったからだ。9回、巨人高橋の飛球に対する微妙な判定に対しても、ベンチを飛び出して抗議。「最初の4点の後、追加点を取れるときに取っておかないと、こういう日になる」。巨人と1・5ゲーム差に開いた。残り2試合を連勝すれば、引きずり下ろせる。そう切り替えるしかない。

 [2010年7月14日8時18分

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