<中日4-9ヤクルト>◇15日◇ナゴヤドーム
頼れる男が帰ってきた。故障で戦線離脱していた中日井端弘和内野手(35)が36日ぶりの打席でいきなりヒットを放った。ヤクルト戦の9回、代打で1軍復帰すると大歓声を背に受けて右翼線へ二塁打。落合博満監督(56)は「すぐ戦力として考えるな」とスタメン復帰には慎重な姿勢を示したが、貴重な戦力が戻ってきたことは間違いない。5安打でヤクルトに連敗し、首位と6ゲーム差に後退する中、唯一の明るい材料だった。
「ただいま」のあいさつは井端らしい右打ちだった。6点差を追う敗色濃厚の9回、ナゴヤドームが沸いた。この日、出場選手登録された井端が代打で登場。ヤクルト松井光のシュートを右翼線へ運んだ。36日ぶりの打席でいきなり二塁打を放って見せた。
「結果が出てよかったです。感覚は悪くない。体は全然大丈夫ですよ」。井端は笑った。6月10日楽天戦(仙台)の試合前、足に痛みを訴えてチームを離脱。翌11日に登録抹消されると、3週間近くグラウンドにも姿を見せなかった。6月29日に練習を再開し、その後は2軍戦に出場して1軍復帰の時期を待っていた。そしてヤクルトに敗れた前夜、大阪の2軍宿舎にいた井端のもとへ、待望の報が届いた。
転んでもただでは起きない。3週間の自宅静養中、井端が欠かさなかったのが腹筋だ。「前は体がぐらついていた。今(故障後)の方が全然いい。打撃は体幹だね」。離脱前は打率2割6分4厘と打撃不振だった。得意の右打ちは減り、らしくない併殺打が増えた。独特の左足を高く上げる打撃フォームがぐらついていた。すり足にしたが、タイミングが取れず泥沼にはまった。そこで静養期間中に体幹を鍛え直した。1カ月ぶりの打席だったこの日、左足は見事に上がり、鍛え抜かれた腹筋が体をしっかり支えていた。まさにケガの功名だった。
「すぐ戦力として考えるな。そんな状態じゃない。こっちは今年1年だめだと考えていたんだ。でなきゃ堂上(直)を使わないだろ。まだ下(2軍)で9回も出てない。ヒット1本打ったら、すぐレギュラーにしちゃうから困るんだよ」。落合監督は井端の症状が深刻だったことを明かし、スタメン復帰に慎重な姿勢を示した。当面は堂上直を起用する方針のようだ。ただ、下位に2連敗という重い雰囲気の中、頼れる男が戻ってきたことは大きなプラス材料だ。【鈴木忠平】
[2010年7月16日12時9分
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