<巨人4-8阪神>◇4日◇東京ドーム

 9番打者メッセンジャーが超満員観客の度肝を抜いた。1点リードの2回2死一塁。198センチ、119キロのパワーを白球にぶつけた。内海の外角高め直球を左翼フェンス最上部へ。本塁打と判定された後、ビデオ判定で二塁打に変更されたのはご愛嬌(あいきょう)。「二塁打を打てて良かったよ」。1番鳥谷、2番平野の連続適時打を呼び込み、笑みが絶えなかった。

 高校時代は途中まで4番打者。遊撃、三塁を守り、シーズン10発も記録している。「米国ではマイナーのプレーオフで本塁打を打ったことがあるよ」。自慢の打力を大舞台で発揮し、本業でも粘投した。7回で10安打を浴びながら2失点。4月に中継ぎで打ち込まれていた巨人にリベンジし「この日が待ち遠しかった。巨人の本拠地で1位になってうれしいよ」と喜んだ。

 私生活でのリラックス方法は素朴そのものだ。球宴休みの初日は大阪市内のUSJ前にある、映画『フォレストガンプ』をテーマにしたレストランで家族と食事し英気を養った。「映画が好きなんだ。ケーブルテレビでやっている映画は見る。『スカーフェイス』っていうアル・パチーノの映画が1番のお気に入りだね」。かつては映画DVD300本近くを所持。今でも約100本を日々、楽しむ。

 もちろん、リラックスするだけでなく夏バテ対策も完ぺきだ。汗っかきのため、電解質入りの500ミリリットルの飲料水を独自購入。毎日10本を飲み干し、万全の状態でマウンドに上がる。これで先発転向後、4戦で無傷の3連勝。この日はまるで映画スターのように、超満員観客の熱視線を浴びた。【佐井陽介】

 [2010年8月5日12時17分

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