真弓阪神に優勝へのマジックナンバー8が点灯した。26日に巨人が横浜に敗れ、自力優勝が消滅したため。ただ首位中日が優位で、阪神にとっては、負けられない状況は変わらない。28日から始まる巨人2連戦(甲子園)に向け、真弓明信監督(57)は2軍調整中の桜井広大外野手(27)を1軍に合流させた。Gキラーの注入で打力をさらに強化し、残り9試合の全勝フィニッシュを実現させる。
険しい道のりを進む真弓阪神に、優勝へのマジックナンバー8が灯った。5年ぶりのリーグ制覇が、数字上ではっきりと示された。しかし中日が優位に立ち、負けられない状況は今まで同じだ。そんな中で、真弓監督は周囲の雑音をシャットアウトするかのようだった。甲子園で行われた指名練習の終了後、約1時間、球場内を1人で歩いた。汗にまみれ、荒い息づかいで、クラブハウスへ引き揚げる。「…」。報道陣の問いかけに、応じることはなかった。
残り9試合を全勝で終えるためには-。指揮官は動いた。西村、川崎の中継ぎ陣の1軍登録を抹消。呼び寄せた投手は、杉山だけ。リリーフは、藤川と久保田がフル回転する方針だ。そこで投手の枠をひとつ削り、野手を組み入れた。チームに勢いを与える存在として、指名されたのが、桜井だ。右ひじ痛の影響もあり、6日に2軍に降格。その後、2軍戦では18打数7安打4打点、2本塁打を記録した。故障個所も状態も良好。この日、1軍練習に合流し、さっそくフリー打撃で元気な姿を見せた。「(右ひじは)問題ない。そんなこと言ってられない。絶対に勝つ、絶対に打つという気持ちで臨みたい」と気合は十分だ。
桜井昇格の狙いは、打力強化でラストスパートを図ることに加え、G倒にもある。今回の2連戦で巨人の左腕内海が登板する可能性は大。昨年は15打数9安打2打点と相性がいい。「勢いをつけるというか、負けられないので。何とか1本出せるようにがんばります」。積年のライバルも背水の陣で向かってくるはず。スタメン復帰した金本に、桜井も先発に名を連ねれば、開幕戦のメンバーが顔をそろえる。強力打線の原点回帰とも言える。
真弓監督は残り10試合になったとき、こう話していた。「これまでも、ずっとそういう気持ちでやってきた。楽な戦いはなかったから。これまでと変わらない」。1戦必勝の思いを常に抱いてきた。マジックナンバーよりも、すべて勝つだけ。緊張感に満ちても守りに入る考えはない。真弓阪神が攻めて、5年ぶりのリーグ制覇を取りにいく。【田口真一郎】
[2010年9月27日10時59分
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