建さんに最高の花道を!

 広島野村謙二郎監督(44)が28日、今季限りでの現役引退を表明した高橋建投手(41)の引退セレモニーが催される29日横浜戦(マツダ)での「必勝指令」を出した。高橋は試合終盤にリリーフで登板予定。家族も見守るだけに指揮官は「最高の試合にしたい。できれば三振をとってほしい」とエールを送った。投打ともに全力を尽くし、はなむけの白星を捧げる。

 15年間にわたってカープを支えた功労者を最高の形で送り出す。29日の横浜戦は高橋の引退試合。ナインの思いはただ1つ、白星で飾ることだ。現役時代、ともに夢を追いかけた野村監督も必勝を誓った。

 「いい締めくくりをしてほしい。娘さんとか家族が来ると聞いている。いいところを見せてあげたい。引退するのは残念だけど、最高の試合にしたい。できれば三振をとってほしい」。

 戦況を見ながら、試合終盤に登板予定。94年ドラフトで同期入団の嶋は言う。「勝ちたいです。勝っている場面で投げさせてあげたい」と意気込んだ。昨季、高橋が大リーグに挑戦し、メッツでメジャー初昇格した際に祝福メールを送れば高橋から「広島のことはパソコンでチェックしているよ。頑張れよ!」と返信がきたという。広島思いのベテランに1勝をささげるつもりだ。また、同年1位の山内投手コーチも「一緒に入って、これだけ長くやった。尊敬しています。いい終わり方をしてあげたい」と話す。有終の美を飾るべく、アシストする構えだ。

 高橋も最終登板に向けて準備万端。同期入団の横山とキャッチボールを行い、別れを惜しんだ。ダッシュをこなすなど、臨戦態勢に入る。「明日、ということで…。ちょっと気持ち的にきますね…。いい練習をできました」と話した。

 白球を愛し、家族と支え合った野球人生だった。始球式では愛娘の優さん(16)と舞さん(14)が姉妹バッテリーを組む。幼少時にはオフに何度もキャッチボールを行った。今回に備えて4度ほど練習を行ったという。「広島でね、車で家族4人でどこかに行った数は(誰にも)負けないな。川とかゲームセンターとか身近なところだけど、そういう時間は多かった」。両親、家族、ファンに最後の勇姿を披露する。

 試合後は引退スピーチを行ったあと、場内を1周する。「とにかく全力でキャッチャーミットをめがけて投げる。もともと、涙目なんでね。極力、涙は見せたくないけど…。『ありがとう』ですよ」。完全燃焼のラストマウンド。広島の夜空のもと、ありったけの感謝を尽くす。【酒井俊作】

 [2010年9月29日10時59分

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