<阪神3-4横浜>◇9月30日◇甲子園
顔色を失っていた。ゲームセットの瞬間、真弓明信監督(57)はベンチに腰かけた。しばらく宙を見つめたままだった。藤川球で締めくくるはずが、予想もしない逆転被弾。中日に優勝へのマジックナンバー「1」が点灯し、5年ぶりのリーグ制覇はわずかな可能性を残すだけとなった。「痛いどころじゃない…」。絶体絶命の状況に、指揮官から強気の言葉は消えていた。
負けられない本拠地最終戦に、この日のために1軍登録した矢野の引退セレモニー。最高の形で、残り6試合の遠征に出る青写真を描いていた。9回表2死か、併殺で試合終了となる1死一塁の場面で、矢野に最後の出場機会を与えるつもりだった。「最後の試合だから、勝って送り出したかったけどね」。しかし、すべては幻に終わった。
自力優勝は消滅した。あとは2日に中日が敗れることを祈るだけだ。阪神にできるのは、勝って望みをつなぐこと。「まさかやなあ…」。真弓監督は藤川球の被弾の場面を問われると、短く答え、絶句した。あまりにもショックの大きい敗戦。真弓阪神は重い足取りで、1日に広島に向かう。【田口真一郎】
[2010年10月1日9時1分
紙面から]ソーシャルブックマーク



