<イースタン・リーグ:巨人7-14楽天>◇10日◇ジャイアンツ

 阿部の名前がコールされると、スタンドからひときわ大きな拍手が起こった。巨人阿部慎之助捕手(32)が10日、川崎市のジャイアンツ球場でのイースタン楽天戦に「5番捕手」で先発出場した。4月5日の練習試合阪神戦で、邪飛を追った際に右ふくらはぎを負傷してから、35日。当たり前だった光景が、ようやく帰ってきた。

 2回の第1打席は二ゴロ。1打数無安打で、3回でベンチへと退いた。だが、この日のポイントは「結果」でなく「動きの内容」にあった。「打つよりもキャッチャー動作の方、カバリングだとか、ワンバンの処理だとかを確認したかった」。守備時の2度の内野ゴロの場面では、一塁後方へカバーに動いた。3回の三塁前への犠打の際は、素早く立ち上がって前に出て、送球先を的確に指示。初回に許した二盗も送球動作に違和感はなかった。邪飛を追う動作こそなかったが、守備では想定されるほぼすべての動きをクリア。「ほとんど問題なく、いろんな動きができた。怖さもなかったし、思った以上に体も動いてくれたので満足しています」と安堵(あんど)感を漂わせながらほおを緩めた。

 遠征先の上毛敷島で報告を受けた原監督は「順調だと思います」。今後に関しては「明日は5イニング、次の日は7イニング。様子を見ながら、交流戦からと予定しています」と、予定通りに17日楽天戦から1軍に合流させたい考えを示した。

 阿部は今日11日のイースタン楽天戦後、指揮官に報告にいく予定だ。チームの現状には、主将として「本当に苦しそうだなというのは見ていても感じます」と責任も感じている。「とにかく僕がいい起爆剤になればと思って、ずっと頑張ってきた。段階はありますけど、1日でも早く戻ることに集中して頑張りたい」。阿部完全復活の瞬間まで、あと少しだ。【浜本卓也】