<巨人4-2楽天>◇3日◇東京ドーム

 巨人東野峻投手(24)が、ようやく勝った。楽天3回戦に先発し、6回を5安打1失点に抑え、今季2勝目を挙げた。開幕投手に抜てきされた4月12日のヤクルト戦で今季初勝利をマークするも、その後白星に恵まれず5連敗。この日も1回表に先制されるも踏ん張った。同点の6回裏にラミレスの9号ソロが決勝点となった。

 決意を示すように、東野はウイニングボールをスタンドに投げ込んだ。「うれしかったですけど、まだ2勝目。まだまだ勝っていかなきゃいけないですから」。4月12日の開幕戦で勝利して以来、52日ぶりの2勝目。「正直毎日しんどかった」と振り返ったように、つらく、苦しい日々を乗り越えての勝利だったが、感慨に浸ることはなかった。

 前回登板の26日ソフトバンク戦で8回途中2失点と好投しながら自身5連敗。必死に抑えてきた感情は、ボロボロと崩れそうだった。「勝てないですね」。自然と口にする自分にハッと驚いた。そんな時、1通の携帯メールが入った。「ナイスピッチング!我慢だ峻」。メールの送り主は原監督だった。帽子のつばに記したのは「我慢」。指揮官の言葉が、胸に刻まれていた。

 「我慢」をマウンドでも体現した。6回2死一、三塁、最大のピンチにも心を落ち着かせた。「いつもピンチになると力むので、リリースの瞬間だけ力を入れようと」。今季は得点圏に走者を背負った場面で痛打を浴びるケースが多かったが、高須をスライダーで左飛に。同じ失敗は繰り返さなかった。

 過去はバッサリと捨てた。登場曲は前回登板から洋楽に変更。この日は、グラブをトレードマークの青色から黄色に変えた。「やってきたことを変えて、リセットしようと思って」と説明したが、内海の助言もあった。5月10日の横浜戦でKOされた直後、食事の席で「落ち込むのはその日まで。翌日からは笑顔でこいよ。オレらでチームを引っ張っていくんやから」と言葉を掛けられた。4連敗中だった東京ドームで見せた右の“エース”としての意地。どん底を味わった男が、また1つ「真のエース」への階段を駆け上がった。【久保賢吾】