<中日1-0阪神>◇5日◇ナゴヤドーム
今季5度目のおいしい場面は、お祭り男の中日小田幸平捕手(34)が持っていった。ナゴヤドームにお待ちかねのフレーズがこだまする。サヨナラ打のヒーローはインタビュアーのマイクを手に取り「スリー、ツー、ワ~ン」のカウントダウン。ファンはもう分かっている。絶妙のタイミングで「や・り・ま・し・た~」-。小田の決めゼリフの大合唱だ。
0-0の9回裏。1死一、二塁の好機。2ボール2ストライクから、小林宏の128キロスライダーを左翼線ギリギリにねじ込んだ。「すごい当たりでも、汚いヒットでも何でも良かった。ハイ。もう最高です」。直前で代打堂上剛が敬遠された。ベンチには荒木、井端、佐伯と百戦錬磨のベテランがいたが代打は送られなかった。指揮官の無言のゲキを意気に感じて男になった。
正捕手谷繁をサポートする貴重な2番手だが、今季はキャンプ中に右足首のけがで出遅れた。復帰間近になって再びコンディションを崩す悪循環。それでも小田は「神様がけがをして、自分を見つめ直せと言っているんだと言い聞かせた」と腐らなかった。今は、けがで長期離脱中の谷繁の穴をしっかり埋めている。
劇勝にも落ち着き払っている落合監督は小田についての質問に「何でそういう振りになるんだよ?
ああいうお膳立てができるかどうか」と、サヨナラ機をつくった小池、水田、代打堂上剛らをまず評価。その上で「あそこで打てばヒーロー。(新聞の)1面を飾るんだから、いいんじゃない?」と独特の表現でねぎらった。【八反誠】



