<巨人4-0中日>◇18日◇東京ドーム

 巨人がクライマックスシリーズ(CS)に向けて、難敵中日ソトを攻略した。5番に入った阿部慎之助捕手(32)が15号先制ソロを放てば、新外国人ジョシュ・フィールズ内野手(28)が来日初打点&初アーチとなる2ラン。原辰徳監督(53)が組み替えた打線が、持ち味でもある「ストロングスタイル=1発攻勢」を見せ、3戦未勝利で防御率1点未満に抑えられていた左腕に来日初黒星を付けた。投げては先発東野が8回2安打無失点と完璧な投球を披露。上位を争う2位中日を力で押し切った。

 難攻不落のソトを攻略したのは、阿部とフィールズによる「ストロングスタイル=1発攻勢」だった。過去3試合で防御率0・93に抑えられていた難敵から、7回に主将阿部が左中間に鮮やかな先制弾。フィールズが2ランで続き、ソトを引きずり下ろした。ベンチ前で「オレはうれしいよ!」とフィールズを興奮気味に出迎えた原監督は「いいところで1本出ましたし、その後の2ランも非常に良かった。(フィールズの1発は)ジャイアンツファンの中で私が一番喜んでいるんじゃないかなというぐらい、非常にいい本塁打だった」と満面の笑み。岡崎ヘッドコーチも「本塁打の力というのは大きいですね」とストロングスタイルの破壊力をかみしめた。

 この1勝の価値は大きい。中日とはリーグ戦で7試合を残す。ここで未勝利のソトにやられると、上位争い生き残りをかけたリーグ戦ではもちろん、CSという短期決戦でも自信を持ってぶつけてこられることになる。しかも、この日は負ければ勝率5割に逆戻りという状況でもあった。

 そんなターニングポイントで、原監督が動いた。前日17日は無安打だったクリーンアップを「本来ならば簡単に変えるポジションではない」と認めつつ変更。不振のラミレスに代わって首位打者長野を7月31日以来の4番に、阿部を5番に入れた。すると阿部が先制弾を含む3安打2打点。「あと24試合ですか。何が起こるか分からない。(優勝の可能性が)0%になるまであきらめずに頑張ります」という言葉を、その姿で体現した。

 8番には、打率1割8分2厘だったフィールズを抜てきした。7月の来日後、打点はゼロ。9日広島戦では2死満塁の絶好機に3ボールからボール球を強振し周囲を失望させた。だが日本での活躍を夢見る男は、めげなかった。来日前からインターネットで日本野球を勉強。侍と忍者に興味を示し「侍に会いたいって言ったら、藤井さんに『侍はガッツさん(小笠原)しかいない』と言われたんだ」とうれしそうに話せば、「忍者がいるらしい」と日光江戸村行きを熱望した。日本語も勉強するなど素直で真面目な助っ人は「チームメートが歓迎して僕の本塁打を待ってくれている」と感激しつつベースを1周。岡崎ヘッドが「彼は状態が良ければ(投手が)右とか左とか関係ない」と言うように、これで気分を良くして波に乗れれば「ラストサムライ」として逆襲の切り札になれる可能性もある。

 4点リードの9回には「これから非常に重要なゲームを迎えますし、全員で結束して戦うんだという中において」(原監督)と、守護神久保を投入した。残り25試合での打線組み替えにフィールズ起用という、指揮官が思い切りよく、そして丁寧に振るったタクトが、沈みがちだった巨人に希望を奏でた。【浜本卓也】