今季中日入りした中日佐伯貴弘内野手(41)が29日、来季契約を結ばないと通告された。自身2度目となる戦力外通告。だが、19年目ベテランに落ち込んだ様子は一切なかった。

 「尊敬する監督のもとで落合野球を体感できたことは大きな財産。すがすがしい気持ちです。自分にとっては夢のような1年だった」

 昨季、横浜を戦力外になって拾ってくれたのが落合監督だった。今季は64試合に出場して打率2割2厘、1本塁打。決して納得できる数字ではなかったが、常勝軍団でしか味わえない緊張と刺激の日々が本能をよみがえらせた。

 「監督は戦力として見てくれている。CS、日本シリーズと1つのパーツとして全力でやりたい」

 この日、落合監督が「当然、戦力ですよ!」と話したとおり、11月2日から始まるCSファイナルの戦力構想に入っている。その期待に応えようと、ナゴヤドームで行われたチーム練習に参加した佐伯は、誰よりも遅くまで残り練習を続けた。

 「1年間、厳しい練習に付き合ってくれたスタッフのおかげで、体はどこも悪くない。心も折れていない。地球の裏側でもどこでも行ってやりたい」

 来季の去就を問われると、力強く現役続行を宣言した。落合監督をもう1度、胴上げすることが中日での最後の仕事。41歳の闘争心はさらに燃え上がっている。【桝井聡】