TBSホールディングス(HD)と横浜の球団譲渡で合意したゲームサイト「Mobage(モバゲー)」の運営会社ディー・エヌ・エー(DeNA)の春田真会長(42)が5日、今季限りで巨人を退団するアレックス・ラミレス外野手(37)の獲得に興味を示した。チーム編成だけでなく、フロント人事も刷新する意向で、球団社長には同社社員を登用する予定。正式承認前ではあるが、新球団へのスムーズな移行に向け、動きだした。

 新生ベイスターズの船出にふさわしい大物獲得-。都内で取材に応じた春田会長は、ラミレスについて、あくまで個人的な見解とした上で、「打撃も魅力だけど、彼のファンサービス、キャラクターは今の横浜に必要な部分だと思う」。実績だけでなく、明るいキャラクターに大きな魅力を感じていた。

 実行委員会、オーナー会議での承認前だけに、「正式に(球界に)入っていないので、その立場(球団オーナーに就任予定)を前提にして話はできない」と慎重に言葉を選んだが、来季を見据えると、時間の猶予はない。ここまで球団は売却問題の影響で外国人補強を凍結してきたが、4年連続最下位から脱出するためには、実績ある大砲は必要不可欠。主砲村田は、他球団への移籍も視野に入れ、FA権行使を示唆していることもあり、ラミレス獲得に乗り出す可能性は十分にある。

 チームづくりについても、「今季規定打席に達した選手が3人(渡辺、石川、村田)、規定投球回数にいった投手が1人(高崎)というのが、すべてを物語っている気がする。レギュラーや軸の投手をしっかりした形にしないといけない」と青写真を披露。フロント人事についても言及し、「(球団社長は)DeNAとの連携をうまく進めていかないとやりにくいだろう。社員がやった方がいいのでは」と、DeNA本社の執行役員クラスに務めさせる意向を示した。

 現オーナー会社はTBSHDのため、「筋道は守りたい」と球団職員の処遇を含め、運営方針はまずはTBSを通じ、球団側へ伝える。12月1日のオーナー会議で譲渡が正式に承認されれば、「12月2日のタイミングで、よーいドンで進められるようにしたい」と同会長。加地球団社長と直接意見交換することも必要と考えており、9日の実行委員会後をメドに日程調整を進める予定だ。