DeNA中畑清監督(58)がドタバタで断髪式に出席した。大相撲の元小結・岩木山の関ノ戸親方(35)の引退相撲が28日、東京・両国国技館で行われた。岩木山の高校時代の恩師と親交がある中畑監督は、断髪式の中盤に登場予定だった。しかし手違いがあり開始から1時間20分後に到着。出番を82人遅らせて、岩木山の親族がはさみを入れる直前に滑り込んだ。

 国技館到着から土俵に上がるまでわずか7分。何もなかったかのように落ち着いてはさみを入れた。岩木山に「ご苦労さん。よく頑張ったね」と声を掛け、この日一番の盛り上がりを見せた客席に向かって、両手を上げて応えた。

 帰りの通路では手を横に広げて「セーフ!」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。というのも関係者との連絡の行き違いで断髪式が午後4時半からと勘違いしていた。自宅で雑誌取材を受けていた午後1時半に、球団関係者から「もう断髪式が始まっている」と連絡が入り、取材を打ち切ってタクシーを飛ばして駆け付けたのだ。「不義理はしたくないからね」と、義理人情を大切にする中畑監督らしい言葉を漏らした。

 相撲界とは縁もある。巨人入団5年目に親交があった輪島(元横綱)から誘われ、3日間入門したことがある。「朝からまわしを締めて四股を踏むといい汗が出るんだよ。相撲も野球も下半身が大事。バッティングも下半身だしね」と話した。沖縄・宜野湾キャンプにまわしを持ち込むプランはないが、下半身を意識したトレーニングで心身共に鍛え上げるつもりだ。【鳥谷越直子】