阪神金本知憲外野手(43)が12日、また大きな1歩を踏み出した。初めてシートノックに入り、本塁にノーカットでストライク送球。右肩痛でこの2年間不可能だったプレーを実現させた。訪問したNPBの加藤良三コミッショナー(70)も調子の良さに目を細め、残り30本に迫る通算500本塁打などの早期到達を求めた。

 今年初めて加わったシートノック。最後のバックホームで左翼から前進してゴロをさばいた金本が右腕を強く振った。カットマンを経由せず、ワンバウンドで捕手のミットにストライク。仲間たちの「オッケーイ!」の声を聞きながら、背番号6は引き揚げた。

 たかが、されどの1シーンだ。10年3月に右肩棘(きょく)上筋断裂の大ケガを負い、この2年間は満足に投げられず、遊撃の鳥谷に返球するのが精いっぱい。昨年は試合前のシートノックに数回しか入らなかった。悔しさを胸にしまいながら地道にリハビリを続け、痛みはほぼ解消。このキャンプでは初日から70メートルの遠投まで見せる回復ぶりを見せていた。

 和田監督は「まだ(開幕まで)2カ月近くあるわけだし、もっと上がってくると思う。初のシートノックであれだけできれば十分」と言い、関川外野守備走塁コーチは「聞いていたよりも投げられていた。問題ない」と安心させた。

 まだ足を使いながら投げる練習をしていないため、金本はコーチ陣に「足が合わなかった」「今日はボールがうまく握れなかった」などと感想を語った。感覚を思い出せばよりスムーズに動けるはずだ。

 順調な動きに、意外なところから激励が飛んだ。訪問した加藤コミッショナーから「体調がいいようですね」と声を掛けられると「おかげさまで」と笑顔で返答。さらに「(通算)2500安打、500本塁打も近づいている。1日も早く達成してもらいたい」と“指令”まで受けた。

 2500安打にはあと53本、500本塁打には30本。特に本塁打数は金本が掲げる「完全復活」の目安になる数字だ。打撃の方は前日の特打で大砲ブラゼルをも圧倒する33柵越えを放つなど絶好調。守備面の不安も着実に解消してきている。【柏原誠】