守護神候補として来日した巨人新外国人のスコット・マシソン投手(28=フィリーズ)の先発転向案が浮上していることが28日、分かった。球団関係者によるとクローザーを視野に入れつつ、先発も経験させる両にらみでの起用を示唆。今後オープン戦では複数イニングに登板する可能性もある。この日、チームは春季キャンプを打ち上げ沖縄から帰京。開幕への準備が大詰めを迎えていく中、「無敵巨人」ならではの大胆プランが、ひそかに進もうとしている。

 最速158キロ右腕の持ち場が、守護神から先発へ一転する可能性が出てきた。球団関係者は「向こうでは先発の方が多かったと聞いている。十分に資質、可能性はある」と説明。ここまでの対外試合では3試合に登板し3回を無失点。いずれも1イニングの登板だったが、先発起用の準備として今後は2イニング以上の登板も検討されている。

 フィリーズ時代は8試合で先発経験があるが、抑えの経験はない。最大の持ち味は速球と落差のあるスプリット。ワインドアップで大きく振りかぶり191センチの長身から投げ下ろす投球スタイルは迫力満点だ。一方で、セットポジションには、課題も残していることも事実。チームの勝敗を直接、左右するポジションを来日1年目のマシソンに任せるのは荷が重過ぎるとの見方もある。

 現時点での守護神候補筆頭の久保が、昨年11月の右足股関節唇の修復手術から順調な回復を見せており、開幕に間に合う可能性が高まっていることも転向プランを後押ししている。この日、那覇空港で取材に応じたマシソンは「チームの指示に従うのが私の役割」とした上で「先発となれば、ブルペンでの球数を今よりも増やしていかなくてはいけない。喜んでチャレンジしたい」と、どこまでも前向きな姿勢を見せた。

 守護神、先発いずれにしてもチーム内の競争は激しい。元メジャーリーガーとはいえ、オープン戦で結果を出すことが求められる。

 ◆巨人先発ローテーション争い

 内海、杉内、沢村、ホールトンと、6人態勢の4人は確定。残り2枠を、キャンプ終了時点では、東野、ゴンザレス、西村、そして宮国の4人で争う図式だった。ゴンザレスと西村は、先発以外にも、中継ぎ・抑えの適性も持ち合わせており、首脳陣はさまざまなオプションを検討、選択できる。今キャンプの「2枠争い」では、東野が先頭を走っており、3月は残り1枠の争奪戦になりそうだ。そこに、マシソンが食い込めるか。