<オープン戦:広島4-4巨人>◇7日◇倉敷
巨人宮国椋丞(りょうすけ)投手(19)が開幕ローテーション入りへリーチをかけた。広島とのオープン戦に先発し、4回を投げ1失点。1回にソロ本塁打を浴びたが終始ストライク先行で、49球で収めた。質の高い制球力で持ち球すべてを低く集め、内野ゴロでアウトを稼いだ。今季海を渡ったマリナーズ岩隈と重なる投球スタイル。試合中の1枚の写真が「制球の鬼」の共通点を証明していた。
宮国らしさは4個奪った三振ではなく、5個稼いだゴロアウトにあった。本塁打などをひとしきり反省したが、「失点を除けば、それなりです。自分のスタイル、出せたと思います」。打たせて取る投球に徹した49球には一定の納得があった。「もっと長い回を投げたい。投げさせてもらえるように」と、開幕ローテに手が届く位置にいる自覚があった。
広島打線は積極策を講じた。「どんどん振ってくるな」と宮国も思ったが、直球でも変化球でも初球ストライクを取り、投手有利とし、最後はゴロアウトを奪った。1回の3アウトは勝負球こそ異なるが、すべて同じ形だった。4回1死一塁も、バーデンをカウント2ストライクから外角スライダーで泳がせ遊ゴロ併殺。格上の投球をしてみせた。
19歳の制球力。1枚の写真がその源泉を克明に捉えていた。スポーツ写真では極めて遅い、50分の1秒というシャッタースピード。完全静止に近い部分以外は、ぶれてしまう。軸足に乗せたパワーの移動が行われている1枚を見ると、宮国の両肩、目標を見つめる顔は、ぶれずに写っている。しかも両肩のライン、顔は地面と平行で、狙うポイントを目指し真っすぐに向かっていることがよく分かる。同じ試みを楽天時代の岩隈に対し行った際も、うり二つの現象が起こった。
偶然の一致じゃない。父透さんは「憧れは岩隈だと思います。小学校、中学校と、よくフォームをまねしてました。高校に入って『琉球のダルビッシュ』って言ってもらうようになりましたけど、本当は岩隈が好きなんだと思います」とルーツを明かした。憧れが突き動かし、幼少のころから無意識に体に染み付いたメカニック。付け焼き刃の技術じゃないから大切な登板でも体現できた。
「似てる、って言われたことはないですねぇ」とキョトンとしていた。日本球界最高峰の制球力を誇った岩隈は、海を渡った。宮国は入れ替わるように台頭し、憧れの右腕と同じスタイルで、巨人の先発陣に食い込もうとしている。【宮下敬至】



