<楽天3-2ソフトバンク>◇1日◇Kスタ宮城

 キャプテンが決めた。2-2の延長10回、楽天松井稼頭央内野手(36)がサヨナラ打を放った。開始から3時間半を超え引き分け寸前だったが、日本では自身10年ぶり7度目のサヨナラ安打で勝利をものにした。今季から主将に就任。プレーで、声で、チームを引っ張っている。楽天は今季初のサヨナラ勝ち。3連勝で貯金を3とした。2位日本ハムに1・5ゲーム差と迫り、明日3日から首位ロッテとの3連戦に挑む。

 左中間に飛んだ打球が大きく跳ね、フェンスを越えた。同点の10回2死二塁、松井は「打てる球は積極的に」と、ソフトバンク森福のスライダーを強振した。サヨナラを確信しながら二塁到達。ベンチから駆けだしてきた仲間に向かって右の手のひらを開き、興奮気味に突き出した。みんなも同じように開く。最後は、もみくちゃになった。

 お互い手を突き出すが、重なる寸前で止める。今季からチームに広まった“エア・ハイタッチ”の発端は、他ならぬ松井だ。アストロズ時代、ミゲル・テハダら中南米出身選手が始めア軍で浸透。盛り上がった。「一体感が出る」と、主将に就任した今季から楽天にも導入した。実はこの日の試合前、メディアを通じ「僕がタイムリーを打ったら、ファンの皆さんもやってください」とお願いしていた。5回の一時勝ち越しの二塁打とあわせ、言ったその日に2度も実現させた。

 主将の仕事は雰囲気作りだけではない。「守っていて感じることがあれば」と投手に声をかける機会が増えた。自身は5月中旬に右手首捻挫。1カ月の再調整を余儀なくされた。今も「状態は良いとは思わない。ギリギリな時も多い」と言いながら、練習は手を抜かない。「何秒で走るか調子のバロメーターになる」と野手でただ1人、毎日10メートルダッシュを継続。1・7秒台前半は聖沢の次に速い。

 最後の攻撃前、選手を集め「サヨナラを見せてくれ」とハッパをかけた星野仙一監督(65)は「引き分けじゃ面白くない。稼頭央が振れていたからね。よく粘ってくれた」とねぎらった。お立ち台の締め。松井はスタンドに向け「3、2、1」で右手を突き出した。「(エア・ハイタッチが)皆さんの楽しみになれば。(名称を)公募したい。もれなく1名に何かプレゼントします」と冗舌だった。球団も早速対応。公式ホームページで募集を始めた。キャプテン稼頭央率いるイヌワシ軍団。決めポーズが、どんどん見られそうだ。【古川真弥】