豪腕が山本昌に変身!?

 阪神久保田智之投手(31)が20日、甲子園で行われた秋季練習で、中日山本昌をほうふつさせる新フォームを披露した。大きく振りかぶって、軸足とは逆の足を大きく振り上げる躍動感のあるフォームでキャッチボールを行った。

 だからと言って、豪腕久保田が130キロ台の直球を操るベテラン左腕の投球術を目指すわけではない。「昌モーション」には球の質を上げる狙いがある。中西投手コーチは「ハンドワークから始動せず、フットワークから始動するように。少し山本昌のイメージだな。足を遊ばせるような感じ」と新フォームを指摘。「大きく下(半身)を使う意味でもそこから変えていく。フォームがよくならないと、球質が出ない」と理由を明かした。

 剛速球を武器に、勝利の方程式「JFK」の一角としてフル回転した。07年から2年連続で最優秀中継ぎ投手にも輝いたが、今季は4試合の登板に終わるなど、ここ2年は納得できる活躍ができていない。11年目の来季こそ、あの輝きを取り戻す-。あえて正反対とも思える「軟投派」山本昌のフォームからも、いいものを取り入れていく。

 久保田は新フォームについて「体を大きく使って投げているだけですよ」と話したが、目的がある。今季終盤、2軍戦では封印していたチェンジアップを再び使う。「自分を変えないといけない。勝負球として使っていきたい。真っすぐを生かす感じで使っていきたい」。まずは球の質を上げる必要がある。現役最年長47歳左腕のエキスが加われば、復活への道が見えてくる。豪腕が“昌モーション”で巻き返す。【岡本亜貴子】