スター選手への道はダンスから!?

 DeNAが、2月1日から始まる沖縄・宜野湾での春季キャンプ中に、新人6選手を「沖縄アクターズスクール」に体験入門させるプランを立てたことが24日、分かった。安室奈美恵、SPEEDらスターを輩出したスクールで、打撃や守備に通じるリズム感を養うとともに、中畑清監督(59)が日ごろから求めるアピール力を学ぶ狙いがある。

 歌って踊れる野球選手を目指そうというのではないが、プロ野球もエンターテインメント-。そう考えるDeNAは、新人は自己表現力を養うことも不可欠と判断した。そこで着目したのが、キャンプ地と同じ宜野湾市内にある沖縄アクターズスクール。キャンプ最初の休日となる2月5日、安室らが巣立った同スクールへの「体験入門」を準備中だ。楠本広報部長は「この世界は目立ってこそ。ルーキーには見られる、ということやアピールする力を学んでほしい」と狙いを説明した。

 球団からの打診を受けた校長のマキノ正幸氏(71)は、「表現力を持つ人、空気を作れる人がトップクラスの選手になれると思う。うちの生徒たちの熱気から、そういう部分を感じ取ってもらえれば」と歓迎する。当日は新人6人とスクール生がダンスで競演する予定。ドラフト1位の白崎浩之内野手(22=駒大)は「ダンスはやったことがないんで」と不安げな表情を見せながらも、「プロ野球選手になった以上、目標とされる選手になりたい。そのために勉強になることは吸収していきたい」。スターへの第1歩?

 として全力で踊る意気込みをみせた。

 中畑監督は「毎試合出場する野手のスターがほしい」と、自分より目立つ選手の出現を熱望する。だが、今年のルーキーのメディアへの露出は不足気味。日本ハム大谷には球団から外出時の混乱を避けるため“変装指令”が出ているほどだが、白崎は変装なしでも「街中で声をかけられることなんてないですね」。6人の認知度は12球団の中で決して高くはない。

 それだけにぜひともアピール力は増しておきたいところ。今のところ、中畑監督の参加はなさそうだが、アピールにはうるさい同監督だけに飛び入り視察の可能性もある。そうなると…。休日とはいえ、この「体験入門」が1軍生き残りに向けての第1関門になるかもしれない。【佐竹実】

 ◆沖縄アクターズスクール

 1983年(昭58)4月、マキノ正幸氏が沖縄県那覇市に開校した芸能養成スクール。移転を重ね、現在は宜野湾市大山にある。安室奈美恵、MAX、SPEED、DA

 PUMP、黒木メイサら数多くの歌手、アイドルを輩出。ダンスを通して子供の運動能力向上にも力を入れている。